受ける順番や時間帯で年内入試の面接の評価は変わるか|評価の順序効果の研究
面接を受ける順番が最初か最後か、午前か午後かで、年内入試の評価は変わるのでしょうか。順番が評価に入り込む例はありますが、影響の出方は試験の仕組みによって異なり、受ける時刻だけで評価の高低は決まりません。 自分では選べない順番を気にし続けるより、案内された集合時刻を押さえ、質問に答える準備に力を向けるのが現実的です。
- 面接の「順番」には、同じ日に何番目に受けるか、どの日に受けるか、複数の課題をどの順に回るかという異なる意味があります。
- Simonsohnほかは、経営大学院の入学面接を調べ、その日の中で面接官が高く評価した人の多さと、次の評価の関係を報告しました。
- Damischほかは、オリンピックの体操の採点のデータと、学生や経験のある審判を対象とした実験を使い、続けて演技を評価するときの判断を調べました。
- Danzigerほかは、経験のある裁判官が仮釈放を認めるかどうかを判断した記録を、食事の休憩で区切られた時間帯ごとに調べました。
面接を受ける順番が最初か最後か、午前か午後かで、年内入試の評価は変わるのでしょうか。順番が評価に入り込む例はありますが、影響の出方は試験の仕組みによって異なり、受ける時刻だけで評価の高低は決まりません。 自分では選べない順番を気にし続けるより、案内された集合時刻を押さえ、質問に答える準備に力を向けるのが現実的です。
帰りの電車で受験案内を開き、集合時刻を見て「この時間なら最後の方かもしれない」と考える場面を想像してみてください。書かれている時刻は確かな情報でも、その日の面接官がすでに誰をどう評価したかは、そこからは読み取れません。案内に書かれた事実と、順番から思い描いた評価の予想を切り分けることが、まず役に立ちます。
9000件を超える経営大学院の入学面接を扱った研究では、その日のうちに高い評価を付けた人が多いと、次の人には高い評価を付けにくくなる傾向が示されました。[1] 一方、医学部の実技試験や、複数の短い面接を回る試験には、順番による一貫した差が見られなかった報告もあります。[4][5] 数の多い研究の結果だけを取り出すより、何を順番と呼び、どの評価を比べたのかを読むことが大切です。
集合時刻、受験の順番、評価の順番を分ける
面接の「順番」には、同じ日に何番目に受けるか、どの日に受けるか、複数の課題をどの順に回るかという異なる意味があります。午前と午後という区切りは時計の時間帯であり、その面接官が何人を評価した後なのかとは別の情報です。これらを一緒にすると、受験日を比べた研究から午後の面接を予想するなど、比較の対象がずれてしまいます。
順序効果とは、対象を評価する並び方によって判断が変わることです。面接なら本人の答えだけでなく、それまでに評価した人や、その日に付けた評価の並びが次の判断に入り込むことが問題になります。ただし、前の人の印象を基準にする働きと、その日の高評価の人数を気にする働きは異なります。[1][2] どちらも順番に関係しますが、同じ説明で片づけずに読む必要があります。
受験票や大学からの案内にある「集合時刻」は、受験者がいつ集まるかを知らせる記載として読みます。「面接開始時刻」と別に書かれていれば、それぞれが何を指すかを区別します。集合時刻だけを見て、自分が面接室に入る時刻や面接官の休憩の位置まで決めつけない読み方が適切です。順番の決め方について記載がある場合は、その説明と合わせて当日の動きを考えます。
同じ午後の集合でも、知りたいのは時計の時刻だけなのか、その日の評価の積み重ねなのかで、必要な情報は変わります。また、受験番号の大小と実際に呼ばれる順番の対応も、案内に書かれた内容から判断する事柄です。数字の並びを見て評価の見通しまで立てる前に、何の順番が示されているのかを押さえると、後の研究も混同せずに読めます。
高い評価の人数を釣り合わせようとする判断
Simonsohnほかは、経営大学院の入学面接を調べ、その日の中で面接官が高く評価した人の多さと、次の評価の関係を報告しました。[1] すでに高い評価を付けた人が多い日には、続く人にも高い評価を付けることをためらう傾向がありました。これは、その日という小さな区切りの中で、評価の人数の釣り合いを取ろうとする判断として読むことができます。[1]
本来、候補者を評価する際には、目の前の人がどのような答えや考えを示したかが重要です。しかし、その日の高評価が多すぎると感じることが次の判断に混じれば、本人の内容とは別の事情が評価に入ります。この研究の焦点は、面接官が候補者を順に見ていく間に、その日全体の評価の並びが判断と結びつく点にあります。[1] 「後になるほど疲れる」という説明とは、注目している仕組みが違います。
著者らは、直前の候補者との比べ合いや、面接を割り当てる際の偏りでは、観察された結果を説明しにくいとしています。[1] つまり、単に優秀な人の次だったという話だけでなく、その日にすでに行った評価をどのようなまとまりで捉えるかが論点です。順番を考えるときには、直前の人との関係と、その日全体の判断の積み重ねを分けておくと、結果の意味が明確になります。
この結果を読むうえで大切なのは、「最後」という位置そのものと、「それまでに高い評価が多かった」という条件を区別することです。前に人がいることだけでは、その人たちが高く評価されたことにはなりません。研究の条件を保ったまま読むなら、注目するのは面接が進んだ事実だけでなく、そこまでの評価の内容です。受験者から見える呼び出しの順と、面接官の判断の履歴は別の情報になります。
前の人との比較は同じ方向に働くとは限らない
Damischほかは、オリンピックの体操の採点のデータと、学生や経験のある審判を対象とした実験を使い、続けて演技を評価するときの判断を調べました。[2] 前の演技の評価は次の演技の評価に影響し、その方向は、続く演技どうしをどれだけ似ていると感じたかによって変わりました。前と似ていると感じる場合には評価が引き寄せられ、違うと感じる場合には離れる方向に動いたと報告されています。[2]
前の評価に近づく働きを「同化」、違いが際立って離れる働きを「対比」と呼びます。どちらも前に見たものが次の判断に関係する現象ですが、評価が動く向きは逆になります。この区別を置くと、「前の人の出来が良ければ、次の人の評価は下がる」という説明が、順序効果の一面だけを捉えていることが見えてきます。[2]
たとえば、前の対象を高く評価した後でも、次の対象を似ていると捉えるか、違うと捉えるかで、比較の働き方は変わります。研究で扱われたのは面接の回答ではなく、演技に対する判断です。[2] ここで注目できるのは、人を続けて評価する際の比較には、引き寄せる方向と引き離す方向があるという点です。前の人の評判だけから、その後の評価を単純に予想する読み方には合いません。
また、自分と前の受験者が似ているかどうかを、受験者自身が面接官と同じように判断できるわけでもありません。話題が似ていても、説明の仕方や考えのつながりまで同じとは限らず、外から見える特徴は評価内容の一部にすぎません。待っている間に他の受験者を見比べて答えの方針を変えるより、自分が伝える理由と具体例のつながりを確かめる方が、準備する内容を定めやすくなります。
休憩と時間帯を扱った研究の読みどころ
Danzigerほかは、経験のある裁判官が仮釈放を認めるかどうかを判断した記録を、食事の休憩で区切られた時間帯ごとに調べました。[3] 認める判断の割合は時間帯の中で次第に下がり、休憩後に戻るという結果が報告されています。この研究は、判断の内容と本来関係のない要因が、決定に入り込む可能性を考える材料として位置づけられています。[3]
ただし、これは面接ではなく裁判の研究であり、結果の解釈には議論があります。[3] 休憩の前後という区切りに関心を向ける資料として読む一方、年内入試の面接官について述べた結果とは区別します。裁判での判断と、受験者の回答を聞いて点を付けることでは、決める内容も評価の形も異なるためです。
時間帯の話題では、「午後」という大きな区切りと、「休憩からどれだけ判断が続いたか」という区切りが混ざりやすくなります。午前にも午後にも休憩の前後はあり、時計の時刻だけでは両者を対応させられません。受験案内の集合時刻は受験者の行動を決める情報であり、裁判の記録で使われた時間帯の区切りを示す情報とは役割が違います。
こうした区別をすると、気になる時刻を見つけたときにも、すぐに評価の上下に置き換えずに済みます。受験者が扱えるのは、指定された集合に間に合うように動き、呼ばれた際に質問を聞いて答えるための準備です。休憩の位置を想像して面接官の状態を読み続けるより、案内に示された予定をもとに自分の行動を決める方が、実際の準備につながります。
日程や回る順番で一貫した差が出なかった試験
Burtほかは、英国の医学部の実技試験2331件について、受験した日の順番と結果を調べました。[4] 実技試験は、知識について話すことだけでなく、課題にどう対応するかを評価する試験です。この分析では、遅い日程で受けた人が、早い日程で受けた人より一貫して高い点を取ったり、低い点を取ったりするという証拠は乏しいとされました。[4]
ただし、すべての比較が同じ結果だったわけではなく、小児科の試験には日程による違いが見られました。[4] 部分的な差と、全体に共通する傾向を分けて読むことが要点です。一部の試験で差があったことだけを強調すると、日程がいつも同じ方向に働くように見えてしまいます。逆に、全体の結論だけを短く言い切ると、試験によって異なった部分が隠れてしまいます。
Kimほかが扱ったのは、医学部の入学試験で複数の短い面接を順に回る方式です。[5] この方式はMMIと呼ばれ、異なる部屋を回りながら面接を受けます。受験者は最初の部屋で緊張を感じていましたが、最初に回った部屋かどうかで各部屋の成績は変わらず、回る順番の異なるグループ間で合計点にも差がありませんでした。[5]
緊張したという感覚と、実際の点に差があったかは、別に確かめられています。最初の場面で本人が話しにくさを感じても、その感覚がそのまま評価の差になるとは限らないという読み方ができます。[5] 研究どうしを比較するときも、受ける側の気持ち、各課題の点、全体の点を区別すると、何が結果として示されたのかを捉えやすくなります。ここまでの報告を、比較した順番の種類ごとに並べます。
| 研究 | 比較した順番や区切り | 主な結果 |
|---|---|---|
| Simonsohnほか [1] | 同じ日の、それまでの評価の並び | 高い評価が多いと次の高評価をためらう傾向 |
| Damischほか [2] | 続けて評価する演技 | 似ていると感じる程度で影響の方向が変化 |
| Danzigerほか [3] | 裁判の判断を休憩で区切った時間帯 | 認める判断の割合が時間帯の中で低下し、休憩後に回復 |
| Burtほか [4] | 医学部の実技試験を受ける日程 | 点や通った割合への一貫した影響は乏しい |
| Kimほか [5] | 複数の短い面接で回り始める部屋 | 各部屋の成績や合計点に順番による差なし |
出願の前に確かめる集合時刻と順番の決め方
総合型選抜や学校推薦型選抜を受ける準備では、受験票や大学からの案内にある「集合時刻」と「面接の順番の決め方」を確かめます。出願前に読む募集要項の段階で示される内容と、受験者向けの案内で示される内容を、実際の記載に沿って追います。高校で当日の予定を相談する際にも、気になる時間帯の評判より、届いた案内に何が書かれているかを話の出発点にすると整理しやすくなります。
集合時刻の記載では、自分に適用される時刻を読むことが中心です。複数の時刻が並んでいる場合は、自分の区分に対応するものを確かめ、面接の開始を示す時刻と取り違えないようにします。書かれている時刻から、自分の面接が何番目かを補ってしまわず、順番についてはその決め方の説明を読みます。受験票に数字が並んでいても、その数字の役割と呼ばれる順は分けて扱います。
順番の決め方が記されていれば、自分で選べるかを推測する前に、記載された手順に沿って予定を立てます。説明だけでは当日の行動を決められない点があれば、大学の案内に示された方法で、その点を確かめることになります。「午後だから評価が下がるか」といった予想より、「集合時刻のどの記載が自分に当てはまるか」という確認の方が、具体的な行動を決める助けになります。
準備する際は、自分では選べない並び方と、自分で見直せる回答の内容を分けます。前の人と違うことを言おうとするより、問われた内容に対して理由を説明できるかを確かめる方が、取り組む対象が明確です。研究には評価の並びが判断に入り込む例と、一貫した差が見られない試験の両方があります。[1][4][5] 年内入試で高く評価される特定の順番や時間帯は、これらの比較では未解明のままです。
よくある質問
最後の順番になったら、評価は低くなりますか
最後という位置だけで、評価が低くなると決める必要はありません。その日の高評価の人数との結びつきを扱った研究では、前に受けた人数だけでなく、すでにどのような評価が付いたかが論点でした。[1] 呼ばれる位置から面接官の評価の履歴まで推測して答えを変えるより、聞かれたことに対する理由を落ち着いて説明する準備に戻る方が、取り組む内容を定めやすくなります。
最初の部屋で緊張したら、その後の面接も悪くなりますか
複数の短い面接を回る研究では、最初の部屋で緊張していても、回る順番の違うグループ間で合計点に差は見られませんでした。[5] 緊張した感覚だけで、その後も低い評価が続くと考える必要はありません。部屋を移る方式で受けるなら、終わった回答の印象を繰り返し考えるより、次に示された質問を聞き、その内容に答えることを準備の中心に置けます。
保護者は、午後の指定を心配する本人にどう話せばよいですか
まず、午後の指定のどこが気になるのかを聞き、集合時刻と実際の面接の順番を分けて話すと、心配の対象が明確になります。案内に書かれた予定を一緒に確かめたうえで、本人が今見直したい回答の内容に話を戻す方法があります。時間帯について良い予想を重ねて安心させようとするより、当日の行動を決める情報と、評価についての想像を混ぜずに扱うことが支えになります。
参考文献
- Simonsohn ほか. Daily horizons: evidence of narrow bracketing in judgment from 10 years of M.B.A. admissions interviews. Psychological Science. 2013;24(2):219-224.
- Damisch ほか. Olympic medals as fruits of comparison? Assimilation and contrast in sequential performance judgments. Journal of Experimental Psychology: Applied. 2006;12(3):166-178.
- Danziger ほか. Extraneous factors in judicial decisions. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2011;108(17):6889-6892.
- Burt ほか. Order effects in high stakes undergraduate examinations: an analysis of 5 years of administrative data in one UK medical school. BMJ Open. 2016;6(10):e012541.
- Kim ほか. Does the sequence of rotations in Multiple Mini Interview stations influence the candidates' performance?. Medical Education Online. 2018;23(1):1485433.
この記事の限界
測定された結果は、経営大学院の入学面接の評価、体操の採点、裁判の判断、医学部の試験の点などであり、同じ尺度で順番の影響を比べたものではありません。扱った研究には時期や試験の仕組みの隔たりがあり、日本の年内入試で、午前と午後や最初と最後の差を直接見積もる根拠は、この組み合わせからは得られません。
集合時刻や順番に関する案内は年度ごとに変わるため、実際に受ける年度の募集要項、受験票、大学の発表が優先します。研究の比較は、順番への心配を整理する材料であり、本人の受験日程や個別の出願を決める判断に代わるものではありません。
要項の一文を、あなたの出願書類の一文に変えるところまで付き合う
- 向く人: 要項を読んでも、自分の評定と英検で出せる方式を絞り切れない高校生
- 向く人: 志望理由書と小論文を、出願の数か月前から一対一で書き直していきたい人
- 向かない人: 志望理由書や活動報告書を代わりに書いてほしい人
- 向かない人: 要項を自分で読まずに、受かるかどうかの見込みだけを知りたい人
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よくある質問
最後の順番になったら、評価は低くなりますか
最後という位置だけで、評価が低くなると決める必要はありません。その日の高評価の人数との結びつきを扱った研究では、前に受けた人数だけでなく、すでにどのような評価が付いたかが論点でした。[1] 呼ばれる位置から面接官の評価の履歴まで推測して答えを変えるより、聞かれたことに対する理由を落ち着いて説明する準備に戻る方が、取り組む内容を定めやすくなります。
最初の部屋で緊張したら、その後の面接も悪くなりますか
複数の短い面接を回る研究では、最初の部屋で緊張していても、回る順番の違うグループ間で合計点に差は見られませんでした。[5] 緊張した感覚だけで、その後も低い評価が続くと考える必要はありません。部屋を移る方式で受けるなら、終わった回答の印象を繰り返し考えるより、次に示された質問を聞き、その内容に答えることを準備の中心に置けます。
保護者は、午後の指定を心配する本人にどう話せばよいですか
まず、午後の指定のどこが気になるのかを聞き、集合時刻と実際の面接の順番を分けて話すと、心配の対象が明確になります。案内に書かれた予定を一緒に確かめたうえで、本人が今見直したい回答の内容に話を戻す方法があります。時間帯について良い予想を重ねて安心させようとするより、当日の行動を決める情報と、評価についての想像を混ぜずに扱うことが支えになります。