総合型選抜の資料室運営: 武蔵野個別指導塾 武蔵境本校

総合型選抜とは——文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」で読む

最終更新:2026-10-09

「総合型は書類で決まる入試」という言い方は、2027年度入試ではもう通りません。文部科学省は令和9年度の実施要項で、総合型選抜と学校推薦型選抜の面接を必須にしました。この入試がどう定められているかを、要項の文言と頁のまま読みます。

詳しいページ

2027年度入試から、総合型選抜は「面接が必ずある入試」になりました

文部科学省は毎年、大学入試のルールを「大学入学者選抜実施要項」として、各大学や都道府県の教育委員会などに通知しています。高校には教育委員会などを通じて周知されます。2027年4月に大学へ入る人の入試(令和9年度入試)の要項は、2026年5月27日付けで出されました(文部科学省, 2026a)(文部科学省, 2026b)。

その通知が「前年度からの主な変更点」の一つ目に挙げたのが、総合型選抜と学校推薦型選抜について「面接による評価を必ず行うこととしたこと」です(文部科学省, 2026b, 1頁)。令和9年度版のQ&A(最終更新は9月2日)は、新しく加えた問いで、AI面接やペーパーインタビューではこの面接の代わりにならないと答えています(文部科学省, 2026c, Q3-6)。

このページでは、総合型選抜と学校推薦型選抜がどう定められているのかを、要項の本文から順に読みます。分かることは次のとおりです。

このページは制度の総論です。条文や様式を一つずつ読む詳しいページは、各節の末尾と、このページの最後の一覧に分けました。大学ごとの出願資格や日程は、このサイトの大学別の一覧から各大学のページで確かめてください。

入試は3つの区分に分かれます

実施要項は、入学者の選抜を「調査書の内容、学力検査(中略)、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験等、志願者本人の記載する資料や高等学校に記載を求める資料等」を、アドミッション・ポリシーに応じて組み合わせて行うものとし、入試方法を次の3つに分けています(文部科学省, 2026a, 第3の1、2頁)。

実施要項は、入学者の選抜を「調査書の内容、学力検査(中略)、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験等、志願者本人の記載する資料や高等学校に記載を求める資料等」を、アドミッション・ポリシーに応じて組み合わせて行うものとし、入試方法を次の3つに分けています(文部科学省, 2026a, 第3の1、2頁)
区分要項の定義(要約)主な資料
一般選抜学力検査、小論文等を主な資料とし、調査書、面接、志願者本人の記載する資料等を組み合わせて評価・判定する学力検査・小論文等
総合型選抜一般選抜とは異なる観点や方法で、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせ、能力・適性や学習への意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する志願者本人が書く資料・面接など
学校推薦型選抜一般選抜とは異なる観点や方法で、出身高等学校長の推薦にもとづき、調査書を主な資料としつつ評価・判定する調査書・推薦書・面接など

区分はこの3つだけです。令和7年度入試の要項から区分が再整理され、それまでの「専門学科・総合学科卒業生選抜」「帰国生徒選抜・社会人選抜」なども、このどれかに位置づけて行うことになりました(文部科学省, 2026c, Q3-1)。募集要項に「自己推薦」「公募推薦」「AO」「探究型」などの名前があっても、制度の上ではこの3区分のどれかに入ります。女子枠・地域枠などの位置づけは女子枠・地域枠などの選抜、帰国生徒や国際バカロレアの扱いは帰国生徒・国際バカロレア・国際Aレベルで詳しく読みます。

総合型選抜の定義と、4つの留意点

要項は総合型選抜を「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と定め、大学が守る点を4つ挙げています(文部科学省, 2026a, 2頁)。

  1. 本人が書く資料を必ず評価に使う。「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格」から、活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書などを必ず評価に活用します。
  2. 面接を必ず行う。ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含み、オンラインも含みます。
  3. 学力も確かめる。要項の第6の1から4の評価方法のうち少なくとも1つを必ず使い、募集要項に書きます。教科の個別テストは高校段階の基礎的な学習の成果を問い、他の評価方法とバランスの取れた配分にします。
  4. 職業に結びつく学部では意欲・適性を重く見る。高度な専門知識が要る職業分野の学部・学科では、その職業を目指す意欲・適性を特に重視します。

本人が書く資料について、要項は、活動報告書に課題研究、学校内外の活動、資格・検定、大会やコンクール、留学などの履歴を、大学入学希望理由書や学修計画書に入学を希望する理由・入学後の学修計画・卒業後を見据えた目標を書かせるとし、プレゼンテーションなどで積極的に活用するとしています(同, 第6の5(1)〜(3)、7頁)。様式の欄ごとの読み方は推薦書と活動報告書の様式にまとめました。

学校推薦型選抜の定義と、総合型選抜との違い

学校推薦型選抜は「出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ」評価・判定する入試で、「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」、大学は推薦要件をできるだけ具体的に募集要項で示します(文部科学省, 2026a, 2頁)。留意点は、面接を必ず行うこと(高校との緊密な連携で丁寧なマッチングが図られている非公募型で、入学を確約して受けるものは大学の実情に応じて要否を判断できる)、第6の1から4の評価方法を少なくとも1つ使うこと、推薦書に「学力の三要素」についての評価を書いてもらうことの3つです(同, 3頁)。

学校推薦型選抜の定義と、総合型選抜との違い
総合型選抜学校推薦型選抜
出願を決めるのは本人(公募制)出身高校の校長の推薦が要る
主な資料本人が書く資料(必須)と面接調査書(推薦書も)
面接必須必須(非公募型で入学を確約するものは大学が判断)
出願の受付2026年9月1日以降2026年11月1日以降
結果の発表2026年11月1日以降2026年12月1日以降、一般選抜の試験日の10日前まで
募集人員の上限なし学部等の入学定員の5割まで

出典は、出願と発表が第4の4・5(4頁)、募集人員が第8の2(8頁)とQ&AのQ3-4です(文部科学省, 2026a)(文部科学省, 2026c)。学校推薦型選抜には、高校が決まっている「指定校制」と、条件を満たせばどの高校からでも出願できる「公募制」があります。要項の「公募」「非公募型」の文言は公募推薦と指定校推薦の違いで読みます。このサイトの大学別ページは公募制を扱い、指定校推薦は大学が公表している範囲で有無だけを書きます。

2027年度入試で何が変わったか——面接の必須化

通知は令和9年度の主な変更点として、総合型選抜と学校推薦型選抜で「面接による評価を必ず行うこととしたこと」を挙げ、令和8年度にすでにあった選抜区分で導入が難しいものは「遅くとも令和11年度大学入学者選抜までに面接を導入する」としています(文部科学省, 2026b, 1頁)。2027年度入試の時点では、面接のない区分がまだ残っている可能性があるので、面接の有無は募集要項で確かめてください。

Q&Aは、面接を、評価者が直接評価し、受験者一人一人が即時にインタラクティブに応答するもので、評価基準・障害等の特性への配慮・複数の評価者などの体制を整えるものとし、「AI 面接やペーパーインタビューによって今回必ず行うこととされた面接を代替することはできません」と明記しています(文部科学省, 2026c, Q3-6)。個別テストを2月1日以降に行う場合や行わない場合でも、総合型・学校推薦型なら面接を行います(同, Q3-5)。背景として通知は、令和8年度入試で一部の大学で2月1日より前の個別テストの配点割合が著しく高かったり、他の要素が点数化されていなかったりして、実質的に学力検査の成績に大きく偏って合否が決まっており、趣旨に合わないとしました(文部科学省, 2026b, 2頁)。Q&Aも、個別テストの成績が「実質的に評価・判定の大部分を占めることがないように」としています(文部科学省, 2026c, Q3-3)。変更を条ごとに新旧で並べたものは2027年度入試で実施要項の何が変わったかにあります。

出願と合格発表はいつからか

要項が定める時期は次のとおりです(文部科学省, 2026a, 第4、3〜4頁)。実際の日程は、この範囲の中で大学ごとに決まります。

出願と合格発表はいつからか
項目2027年度入試(令和9年度)の決まり
総合型選抜の出願受付2026年9月1日以降
総合型選抜の結果発表2026年11月1日以降
学校推薦型選抜の出願受付2026年11月1日以降
学校推薦型選抜の結果発表2026年12月1日以降で、一般選抜の試験期日の10日前まで(共通テストを使う場合は前日までのなるべく早い日)
大学入学共通テスト本試験 2027年1月16日・17日、追試験 1月23日・24日
教科・科目の個別テスト2027年2月1日から3月25日まで(総合型・学校推薦型は2月1日より前にも実施できる)
合格者の決定発表2027年3月31日まで

追加合格や繰上合格を含め、全ての合格者の決定発表は3月31日までです(文部科学省, 2026c, Q4-1)。エントリーなど名前を問わず「実際の選抜行為」は入学願書の受付日以降に行い、講義の受講やそれにもとづく課題の提出を出願要件にすることは出願開始日より前でもよいとされています(同, Q4-2)。国立大学と公立大学の日程は、それぞれの協会の実施要領にもとづきます(文部科学省, 2026a, 第11・第12、9頁)。詳しくは国立大学の決まり・公立大学の決まり・共通テストの日程と出願・公表の暦で読みます。

学力はどう確かめるのか——4つの評価方法

総合型選抜と学校推薦型選抜で「少なくとも1つ必ず使う」評価方法は、要項の第6の1から4です(文部科学省, 2026a, 5〜7頁)。

  1. 教科・科目の個別テスト。学習指導要領に準拠し、総合型・学校推薦型では高校段階の基礎的な学習の成果を問い、他の評価方法とバランスを取ります。
  2. 大学入学共通テスト。総合型・学校推薦型でも利用でき、一定の学力水準の判定などに使います(同, 第6の2(3)、6頁)。
  3. 小論文・面接・実技検査等。エッセイ、口頭試問、ディベート、集団討論、プレゼンテーションなどを含み、「専ら教科・科目に係る知識を問うこと」にならないようにします(同, 第6の3、6頁)。
  4. 資格・検定試験等。英語では、英検やTOEFLなど4技能を測る検定の結果を使い、受検の負担が大きい人のために検定を使わない区分を設けるなどが望ましいとされ、大学は活用方法を分かりやすく示します(同, 第6の4(1)①・(2)、7頁)。

2月1日より前の個別テストの条件は年内入試で学力をどう確かめるか、推薦・総合型で共通テストを使う手続は共通テストを使う推薦・総合型の手続、英語の検定とCEFRの対照は英語の資格・検定試験とCEFRの対照で詳しく読みます。

調査書と評定平均——出願資格になる理由

要項は、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位の修得や「一定水準以上の具体的な評定の獲得」を出願要件にできるとし、調査書の「各教科の学習成績の状況」以外の記載事項も活用するよう求めています(文部科学省, 2026a, 第5の2(1)(2)、4頁)。この項は新型コロナウイルス感染症の影響への配慮を定めた第5の2(4)の中にあり、総合型・学校推薦型では「成果獲得に向けた努力のプロセス」や意欲を多面的・総合的に評価する工夫が求められ、大学は推薦書や本人が書く資料でそのプロセスを書かせるなど評価方法を定めて募集要項で知らせます(同, 第5の2(4)②、5頁)。

評定の基準は大学・学部・方式ごとに違い、同じ大学でも方式によって有無が分かれます。大学別のページでは方式ごとに「評定の基準」の行を設け、基準がなければ「なし」と書いています。募集要項の「英検2級以上」「CEFR B1以上」といった条件は、上の第6の4にもとづくものです。調査書の欄ごとの読み方は調査書の様式を欄ごとに読む、評定平均と学習成績概評の計算は評定平均と学習成績概評の決まり、12大学の基準の一覧は評定平均の出願要件にあります。

募集人員の上限と、合格後の入学手続

学校推薦型選抜の募集人員は、附属高校からの推薦の分も含めて、募集単位ごとに入学定員の5割を超えない範囲で決めます(文部科学省, 2026a, 第8の2、8頁)。公募型の総合型選抜には「募集人員に関する制約はありません」(文部科学省, 2026c, Q3-4)。

要項は、3月31日までに入学辞退を申し出た人には授業料等を原則として返還するよう求めていますが、「専願又は学校推薦型選抜(これに類する入学試験を含む。)に合格して大学等と在学契約を締結した受験者」はこの原則から除かれています(文部科学省, 2026a, 第10の2(4)①、9頁)。専願の方式に合格して手続をすると、あとで他大学に進む場合の納付金の扱いが違ってくるので、出願前に募集要項の「入学手続」の欄を読んでください。返還の決まり・入学料の通知・最高裁判決は入学手続と入学辞退、専願と併願は専願・併願・入学確約の決まりで読みます。

募集要項はいつ出るのか

各大学は、入試の基本的な事項を2026年5月27日から7月31日までに発表し、発表後は受験者に不利益を与えるおそれのある変更をしません(文部科学省, 2026a, 第7の1、8頁)。募集要項は2026年12月15日までに発表します(同, 第10の1(1)、8頁)。12月15日は全ての募集要項の締切で、総合型選抜の要項がその日まで出ないという意味ではありません。出願期間の前に、その方式の募集要項が出ているかを確かめるのが最初の作業です。このサイトの大学別ページは冒頭に「資料の年度」と「確認日」を書いており、年度が2026年度のままのページは2027年度の要項がまだ確認できていないという意味です。国・大学入試センター・各大学がいつ何を出すかの全体は公表の暦にまとめました。

このページの限界

出典

よくある質問

総合型選抜と学校推薦型選抜の一番の違いは何ですか。

誰が出願を決めるかです。総合型選抜は「入学志願者自らの意志で出願できる公募制」と実施要項に書かれています。学校推薦型選抜は「出身高等学校長の推薦に基づき」、入学志願者自らの意志のみでは出願できない入試です(文部科学省, 2026a, 2頁)。

総合型選抜はいつから出願できますか。

実施要項は、総合型選抜の入学願書受付を令和8年(2026年)9月1日以降、判定結果の発表を11月1日以降と定めています。実際の出願期間は大学ごとの募集要項で決まります(文部科学省, 2026a, 4頁)。

総合型選抜に面接は必ずありますか。

2027年度入試から必須です。実施要項は総合型選抜で「面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う」と定めました。ただし令和8年度にすでにあった選抜区分で導入が難しいものは、遅くとも令和11年度入試までに導入するとされています(文部科学省, 2026a, 2頁)(文部科学省, 2026b, 1頁)。

総合型選抜でも学力試験はありますか。

何らかの形で学力を確かめることは必須です。教科・科目の個別テスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験等のうち少なくとも1つを必ず使い、その旨を募集要項に書くことになっています(文部科学省, 2026a, 2頁)。どれを使うかは大学・学部ごとに違います。

評定平均(内申)が出願の条件になるのはなぜですか。

実施要項が、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、一定水準以上の具体的な評定を出願要件として求めることを認めているからです(文部科学省, 2026a, 4頁)。何点以上を求めるかは大学の募集要項で決まります。

総合型選抜の対策(志望理由書・活動報告書・小論文・面接)は、武蔵野個別指導塾 武蔵境本校で副塾長の宮川涼が直接受け持っています。

公式の総合型選抜ページへ