総合型選抜の資料室運営: 武蔵野個別指導塾 武蔵境本校

全国の統計——どの統計が何を数えているか

最終更新:2026-10-09

「総合型選抜で入る人は全国で何割か」という問いに、公的な資料は19.5%とも27.9%とも53.35%とも答えます。どれも正しい数字ですが、数えているものが違います。この区分のページは、数字の前に「何を数えた統計か」を確かめるために作りました。

資料の年度:令和7年度(文部科学省の実施状況・実態調査)・令和8年度(私立大学の入学志願動向)ほか/確認日:2026-10-09

この区分のページ

全国の統計は、次の5つのページで読みます。英語の検定とCEFRの対照は、統計ではなく各実施団体の公表値なので、制度の区分に置いています。

この区分のページ
ページ何が分かるか主な資料
国公私立大学入学者選抜実施状況の読み方令和7年度の一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の志願者・合格者・入学者の全国合計と国公私の別文部科学省「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」
入学者の内訳の推移令和3〜7年度の入学者の内訳、国立大学の推薦・総合型の割合、私立大学の平成元年度からの推薦等の割合文部科学省の令和4〜7年度の実施状況、日本私立学校振興・共済事業団の入学志願動向
大学入学者選抜実態調査の読み方選抜区分(入試の方式)の数で見た三区分の割合、英語の検定の活用、共通テストの利用、記述式の出題文部科学省「令和7年度大学入学者選抜実態調査について」
私立大学・短期大学等入学志願動向の読み方私立大学の入学定員充足率、未充足の大学の数、規模別・学部系統別の違い、推薦等入学者の割合日本私立学校振興・共済事業団「令和8(2026)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向」
入学料・授業料・検定料の全国の数字国立大学の標準額、公立・私立大学の平均額と推移、共通テストの検定料国立大学等の授業料その他の費用に関する省令、文部科学省の学生納付金の調査、大学入試センターの受験案内

制度(どの大学を受けても同じ決まり)は総合型選抜とはから、英語の検定の対照表は英語の資格・検定試験とCEFRの対照から読めます。

統計の一覧——公表元・最新年度・基準日

統計の一覧——公表元・最新年度・基準日
統計公表元最新年度(2026年10月9日時点)基準日・時期公表のようす
国公私立大学入学者選抜実施状況文部科学省令和7年度令和7年5月1日現在令和5〜7年度のPDFはURLの日付が11月下旬(令和7年度は2025年11月26日)
大学入学者選抜実態調査文部科学省令和7年度令和7年7月16日〜8月29日に回答を依頼・回収大学入学者選抜・教務関係事項連絡協議会の資料として公表
私立大学・短期大学等入学志願動向日本私立学校振興・共済事業団令和8年度(速報値)各年度5月1日毎年。令和8年度版は2026年8月発行
私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額の調査文部科学省令和7年度令和7年度入学者令和3年度から隔年(文部科学省, 2025d)
国立大学の授業料等の標準額省令(文部科学省令)現行の省令改正のつどe-Gov法令検索で現行の条文を確かめる
大学入学共通テストの受験案内大学入試センター令和9年度本試験は令和9年1月16日・17日毎年

出典: 文部科学省(2025a)1頁 注1、文部科学省(2026a)1頁、日本私立学校振興・共済事業団(2026)1頁・目次の頁、文部科学省(2025d)、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令、大学入試センター(2026)8頁。

何を数えているか——単位の違い

全国の統計で使われる数には、少なくとも5つの種類があります。

何を数えているか——単位の違い
単位意味例
実人数1人を1と数える入学者数(令和7年度 648,430人)
延べ数出願や合格の件数を数える。1人が3つ出願すれば3入学志願者数(令和7年度 4,609,730人)・受験者数・合格者数
選抜区分の数入試の方式の一つひとつを1と数える実態調査の77,800選抜区分(2025年度・大学の三区分)
学校の数大学1校を1と数える事業団の入学定員充足率100%未満の大学(令和8年度 275校)
金額標準額・平均額国立の授業料の標準額535,800円、私立の授業料の平均968,069円

出典: 文部科学省(2025a)1頁 総括表・注2、文部科学省(2026a)2頁、日本私立学校振興・共済事業団(2026)2頁、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 第2条、文部科学省(2025b)1頁。

いちばんの落とし穴は、延べ数と実人数の割り算です。文部科学省の実施状況は、志願者数・受験者数・合格者数が延べ数だと注記しています(文部科学省, 2025a, 1頁 注2)。合格者数÷志願者数や、入学者数÷合格者数は、1人の受験生についての確率にはなりません。

二つ目の落とし穴は、選抜区分の数と入学者の数の取り違えです。実態調査で総合型選抜が27.9%でも、入学者で数えると19.5%です。入試の方式の数が多いことと、その方式で入る人が多いことは別です(実態調査の読み方)。

年度の呼び方

大学入試の統計の「年度」は、ふつう入学する年度を指します。

年度の呼び方
呼び方意味例
令和9年度入学者選抜2027年4月に入学する人の入試総合型選抜の入学願書受付は令和8年9月1日以降、学校推薦型選抜は令和8年11月1日以降、教科・科目の個別テストの期日は令和9年2月1日〜3月25日(文部科学省, 2026b, 第4、4頁)
令和7年度の実施状況令和7年5月1日現在で数えた、その入試の結果文部科学省(2025a)1頁 注1
実態調査の「2025年度」令和7年度入学者選抜の選抜区分調査は令和7年7〜8月
事業団の「R8年度」2026年5月1日現在の私立大学の入学者日本私立学校振興・共済事業団(2026)1頁
学生納付金の「令和7年度」令和7年度の入学者が払う初年度の額文部科学省(2025c)注①
令和9年度共通テスト令和9年(2027年)1月に行う試験。令和9年度入学者選抜で使う大学入試センター(2026)8頁

総合型選抜の出願が入学の前の年の秋に始まっても、統計では入学する年度の名前で数えます。令和7年度の実施状況なら、2024年の秋から2025年の春にかけて行われた入試の結果です(令和7年度の入試の日程は、その年度の実施要項で定められています)。高校3年生の進路の話をするときは、「いま受ける入試は、入学する年度の名前で呼ばれる」と覚えておくと取り違えが減ります。総合型選抜の出願の時期の決まりは総合型選抜とはにまとめています。

数え方が変わった年度

同じ統計でも、ある年度から数え方が変わることがあります。推移を読むときは、まずここを確かめます。

数え方が変わった年度
統計年度変わったこと資料の注
実施状況令和4年度「その他選抜」を単独で示すようにした。令和3年度の調査までは学校推薦型選抜に含めていた文部科学省(2023)1頁 注7
実施状況令和7年度入試区分を「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」に再整理。外国人留学生を対象とする選抜も含める。令和6年度と比較できない文部科学省(2025a)1頁 注4・注9
実態調査2025年度同じ再整理により、2025年度と2024年度以前は単純比較できない文部科学省(2026a)2頁・3頁
入学志願動向毎年最新年度は速報値で、次年度の報告書で確定値に置き換わる日本私立学校振興・共済事業団(2026)1頁
学生納付金令和3年度〜隔年の実施。令和4年度・令和6年度の値はない文部科学省(2025d)

令和7年度の再整理は、令和7年度大学入学者選抜実施要項(令和6年6月5日付けの文部科学省高等教育局長通知)によるものです(文部科学省, 2026a, 2頁 注)。入試区分の決まりそのものは令和9年度実施要項の変更点で扱います。

同じ言葉が違う意味になる例

同じ言葉が違う意味になる例
言葉資料計算
志願倍率文部科学省の実施状況入学志願者数÷募集人員(令和7年度 合計7.3倍)
志願倍率事業団の入学志願動向志願者数÷入学定員(令和8年度 私立大学8.62倍)
合格率事業団の入学志願動向合格者数÷受験者数(令和8年度 私立大学34.70%)
総合型選抜の割合実施状況総合型選抜の入学者÷入学者(令和7年度19.5%。このページで計算)
総合型選抜の割合実態調査総合型選抜の選抜区分÷三区分の選抜区分(2025年度27.9%)
推薦等の割合事業団推薦等入学者(総合型を含む)÷入学者(令和8年度 私立大学53.35%)
入学金省令・文部科学省の調査資料の上では「入学料」

出典: 文部科学省(2025a)1頁 総括表、日本私立学校振興・共済事業団(2026)1〜2頁・32頁、文部科学省(2026a)2頁、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 第2条。

文部科学省の実施状況は「合格率」を計算していません。事業団の「合格率」は延べ数どうしの比です。どちらの数字も、1人の受験生が合格する見込みではありません。

3つの「割合」を並べる

冒頭の3つの数字を、何を数えたかと一緒に並べます。

冒頭の3つの数字を、何を数えたかと一緒に並べます
値何の割合か範囲年度
19.5%入学者のうち総合型選抜で入った人国公私立大学の全体令和7年度
27.9%入試の方式(選抜区分)のうち総合型選抜国公私立大学の一般・総合型・学校推薦型の選抜区分2025年度(令和7年度入試)
53.35%入学者のうち推薦等(総合型を含む)で入った人私立大学(事業団の集計校595校)令和8年度

出典: 文部科学省(2025a)1〜2頁、文部科学省(2026a)2頁、日本私立学校振興・共済事業団(2026)32頁。

全国の入学者で見た「総合型+学校推薦型」の割合は、令和7年度に53.7%です(文部科学省, 2025a から計算)。私立大学だけで見た事業団の53.35%と近い値ですが、範囲も年度も数え方も違うので、近い値でも並べて比べることはできません。

読むときの注意

  1. 資料名・年度・基準日・頁をセットで書く。「総合型は2割」ではなく「令和7年度の入学者の19.5%(文部科学省の実施状況)」と書けば、誰でも確かめられます。
  2. 延べ数か実人数かを確かめる。表の注に書いてあります。
  3. 国公私を分ける。全国の総合型選抜の入学者の9割以上は私立大学です(実施状況の読み方)。
  4. 数え方の変わり目をまたいで差を取らない。
  5. 速報値と確定値を混ぜない。年をまたぐ表は、最新の資料の確定値でそろえます。
  6. 平均と標準を混ぜない。国立大学の授業料は省令の標準額、私立大学は入学定員で重み付けした平均額です(入学料・授業料・検定料の全国の数字)。
  7. 大学別の判断に全国の数字を使わない。全国の割合や平均は、特定の大学の入りやすさや学費を示しません。

高校の先生が使うときに

取得できなかった資料

このページで扱わないこと

出典

詳しいページ

よくある質問

総合型選抜で入学する人は全国で何割ですか。

文部科学省の「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」では、入学者648,430人のうち総合型選抜が126,766人で、約19.5%です(文部科学省, 2025a, 1〜2頁。割合はこのページで計算)。27.9%という数字は実態調査の「選抜区分の数」の割合、53.35%は私立大学の「推薦等入学者」(総合型を含む)の割合で、どれも別のものを数えています。

どの統計がいちばん新しいですか。

2026年10月9日時点で、私立大学の入学志願動向は令和8年度(2026年5月1日現在・速報値)が出ています(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 1頁)。文部科学省の実施状況と実態調査は令和7年度が最新です。

統計の数字を授業や保護者会で使ってよいですか。

公表された統計なので使えます。使うときは、資料名・年度・基準日・頁を添え、国公私を分けて示し、延べ数か実人数かを書いてください。このサイトの各ページは、数字ごとに資料の頁と表の行・列を示しています。

大学ごとの倍率や入学者数はありますか。

この区分では扱いません。文部科学省の実施状況には国公立大学ごとの合計がありますが、選抜区分別ではありません(文部科学省, 2025a, 3〜6頁)。大学ごとの総合型選抜の結果は、各大学が公表する入試結果で確かめてください。

統計はいつ更新されますか。

文部科学省の実施状況は、令和5〜7年度の資料のURLの日付が11月下旬です。事業団の入学志願動向は令和8年度版が2026年8月の発行、私立大学の学生納付金の調査は令和3年度から隔年です(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 目次の頁)(文部科学省, 2025d)。新しい資料が出たら、各ページの数字を取り直します。

総合型選抜の対策(志望理由書・活動報告書・小論文・面接)は、武蔵野個別指導塾 武蔵境本校で副塾長の宮川涼が直接受け持っています。

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