私立大学・短期大学等入学志願動向の読み方——令和8年度(2026年度)の私立大学
令和8年度の私立大学(595校)の入学定員充足率は102.74%、入学定員を満たさなかった大学は275校(46.2%)でした。前年度の316校(53.2%)から41校減っています。入学者514,277人のうち、総合型選抜を含む「推薦等入学者」は274,381人(53.35%)です。
- 「私立大学・短期大学等入学志願動向」は、日本私立学校振興・共済事業団が毎年行う「学校法人基礎調査」から、私立大学・短期大学・大学院の入学定員・志願者数・入学者数などを集計した報告書です。令和8年度版は2026年8月の発行で、平成11年度の刊行から28年目です(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 目次の頁)。
- 令和8年度の私立大学は、集計595校、入学定員500,579人、志願者4,317,128人、入学者514,277人。入学定員充足率は102.74%で、前年度より1.13ポイント上がりました(同, 2頁)。
- 入学定員充足率が100%未満の大学は275校で、大学全体の46.2%です。前年度の316校(53.2%)から41校減りました。定員に1人でも足りなければ未充足と数えます(同, 2頁)。
- 入学者に占める「推薦等入学者」(総合型選抜〈旧AO入試〉の入学者を含む)の割合は53.35%で、平成元年度の29.83%から長い目で見て上がっています(同, 32頁)。
- 令和8年度の値は速報値で、次年度の報告書で確定します。前年度の報告書の速報値と今年度の報告書の確定値は、少しずつ違います(同, 1頁)。
この報告書は何か
「私立大学・短期大学等入学志願動向」は、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)が、毎年度実施する「学校法人基礎調査」から、私立大学・短期大学の入学定員、志願者数、入学者数などを集計し、入学定員充足率や志願倍率の動向を規模別・地域別・学部系統別にまとめた報告書です。平成11年度に刊行を始め、令和8年度版は28年目にあたります(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 目次の頁)。
集計のきまりは1頁「集計の概要」にあります(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 1頁)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査基準日 | 各年度5月1日 |
| 調査対象校 | 私立大学・短期大学(株式会社が設置する学校は除く) |
| 集計の方法 | 令和4年度から令和8年度に実施した「学校法人基礎調査」から、入学者数等の項目を集計 |
| 集計学校数(大学) | 令和8年度595校(調査対象613校)、令和7年度594校(610校) |
| 集計から除く学校 | 通信教育部のみを設置する学校、募集を停止している学校 |
| 確定値と速報値 | 令和7年度の値は今年度の報告書で確定。令和8年度の値は速報値で、次年度の報告書で確定 |
報告書は、大学(概況・規模別・地域別・学部系統別・主な学部別・収容定員・充足率の推移)、短期大学、大学院の3部からなり、目次では、1頁が集計の概要、大学の部が2頁から、短期大学の部が36頁から、大学院の部が64頁からです(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 目次の頁)。このページは大学の部分だけを扱います。
令和8年度の私立大学の全体
| 項目 | 令和8年度 | 令和7年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 集計学校数 | 595校 | 594校 | 1校 |
| 入学定員 | 500,579人 | 502,752人 | △2,173人(△0.4%) |
| 志願者数 | 4,317,128人 | 3,956,823人 | 360,305人(9.1%) |
| 受験者数 | 4,121,840人 | 3,780,031人 | 341,809人(9.0%) |
| 合格者数 | 1,430,399人 | 1,465,690人 | △35,291人(△2.4%) |
| 入学者数 | 514,277人 | 510,836人 | 3,441人(0.7%) |
| 志願倍率 | 8.62倍 | 7.87倍 | 0.75ポイント |
| 合格率 | 34.70% | 38.77% | △4.07ポイント |
| 歩留率 | 35.95% | 34.85% | 1.10ポイント |
| 入学定員充足率 | 102.74% | 101.61% | 1.13ポイント |
| 充足率100%未満の学校数 | 275校(46.2%) | 316校(53.2%) | △41校(△7.0ポイント) |
出典: 日本私立学校振興・共済事業団(2026)2頁「Ⅰ 大学の概況 1.志願者数等の増減状況」の表。入学定員充足率(入学者数÷入学定員)を計算し直すと514,277÷500,579=102.74%で、表と一致します。
前書きは、令和8年度は18歳人口が前年度より2千人増えたが、令和9年度には再び減少に転じる見通しが示されている、と書いています(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 目次の頁)。令和8年度は、志願者数(延べ数)が9.1%増えた一方で合格者数は2.4%減り、入学者数は0.7%増えました。
4つの比率の意味
報告書の比率は4つで、どれも単純な割り算です(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 1頁)。比率は小数点以下第3位を四捨五入しています。
| 比率 | 計算 | 令和8年度 | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| 志願倍率 | 志願者数÷入学定員 | 8.62倍 | 志願者数は延べ数。1人が複数の学部・方式に出願すれば、その数だけ数える |
| 合格率 | 合格者数÷受験者数 | 34.70% | 延べ数どうしの比。1人の受験生がどこかに受かる見込みではない |
| 歩留率 | 入学者数÷合格者数 | 35.95% | 合格者のうち入学した人の割合の目安。合格者は延べ数 |
| 入学定員充足率 | 入学者数÷入学定員 | 102.74% | 100%を超えれば定員より多く入学 |
志願倍率8.62倍は、文部科学省の「実施状況」の私立大学の志願倍率(令和7年度8.1倍・募集人員が分母)とは分母も年度も違います(文部科学省, 2025, 1頁 総括表・私立大学の行)。同じ「倍率」でも並べて比べないでください。
入学定員充足率100%未満の大学
報告書は「入学定員充足率100%未満の学校数」を、認可されている(または届出を行っている)入学定員に対する入学者の割合で数え、定員に1人でも満たなければ未充足校と数えます。そのうえで、未充足であることが直ちに経営状況の悪化を示すものではない、と注記しています(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 2頁)。
33頁には、平成元年度からの充足率の分布が毎年度載っています。最近の5年度は次のとおりです。
| 年度 | 集計学校数 | 100%以上 | 100%未満 | 100%未満の割合 | うち50%未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 598校 | 315校 | 283校 | 47.3% | 13校 |
| 令和5年度 | 600校 | 280校 | 320校 | 53.3% | 29校 |
| 令和6年度 | 598校 | 244校 | 354校 | 59.2% | 43校 |
| 令和7年度 | 594校 | 278校 | 316校 | 53.2% | 29校 |
| 令和8年度 | 595校 | 320校 | 275校 | 46.2% | 31校 |
出典: 日本私立学校振興・共済事業団(2026)33頁「入学定員充足率の分布推移(大学)」の各年度の行・100%以上の学校数・100%未満の学校数・100%未満の割合・うち50%未満の列と合計の列。令和8年度の行の15区分(150%以上〜20%未満)を足し直すと、100%以上320校・100%未満275校・50%未満31校で、表と一致します。
令和8年度は100%以上が320校で、令和6年度の244校から2年で76校増えました。一方、充足率50%未満の大学は令和8年度も31校あり、令和7年度の29校より多くなっています。充足率50%未満の大学は29校から31校へ2校増えました。
34頁は、前年度から今年度への動きを8つのエリアに分けています。前年度に定員を充足していた277校のうち、29校は今年度に未充足へ下がりました。前年度に未充足だった313校のうち、70校は今年度に充足し、66校は区分がさらに下がりました(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 34頁)。令和8年度の新設や募集停止などで集計から外れた学校を除くため、277校と313校の合計は595校になりません。
規模別・学部系統別の違い
入学定員の大きさで分けると、充足率ははっきり違います。
| 入学定員の区分 | 集計学校数 | 入学定員 | 入学者数 | 入学定員充足率 |
|---|---|---|---|---|
| 100人未満 | 48校 | 3,471人 | 2,906人 | 83.72% |
| 100人以上200人未満 | 110校 | 16,053人 | 14,329人 | 89.26% |
| 200人以上300人未満 | 78校 | 18,520人 | 17,127人 | 92.48% |
| 300人以上400人未満 | 66校 | 22,565人 | 22,216人 | 98.45% |
| 400人以上500人未満 | 50校 | 22,054人 | 20,715人 | 93.93% |
| 500人以上600人未満 | 33校 | 17,709人 | 17,425人 | 98.40% |
| 600人以上800人未満 | 44校 | 30,318人 | 31,119人 | 102.64% |
| 800人以上1,000人未満 | 32校 | 28,926人 | 31,512人 | 108.94% |
| 1,000人以上1,500人未満 | 51校 | 64,486人 | 67,141人 | 104.12% |
| 1,500人以上3,000人未満 | 57校 | 121,702人 | 130,298人 | 107.06% |
| 3,000人以上 | 26校 | 154,775人 | 159,489人 | 103.05% |
出典: 日本私立学校振興・共済事業団(2026)4頁「1.規模別の動向(大学)」の各区分の令和8年度の行・集計学校数・入学定員(A)・入学者数(E)・入学定員充足率(E/A)の列。11区分を足すと、学校数595校・入学定員500,579人・入学者数514,277人で、2頁の合計と一致します。
入学定員600人未満の6つの区分はどれも充足率が100%を下回り、600人以上の区分はどれも100%を上回っています。私立大学の入学者514,277人のうち、入学定員1,500人以上の83校に289,787人(56.3%)が入学しています(このページで計算)。
学部系統別では、令和8年度の入学定員充足率は医学100.50%、歯学91.95%、薬学92.30%、保健系96.14%、理・工学系101.57%、農学系103.58%、人文科学系104.62%、社会科学系105.78%、家政学92.06%、教育学99.24%、体育学102.89%、芸術系105.33%、その他102.59%です(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 20頁 「4.学部系統別の動向(大学)」の令和8年度の行・入学定員充足率の列)。学部系統の区分は事業団の『今日の私学財政』と同じで、区分の中身は27頁に載っています。
「推薦等入学者」の扱い
32頁「Ⅳ 入学定員充足率等の推移(大学)」は、平成元年度から毎年度の入学者数(E)と、その内数としての推薦等入学者数(F)、推薦割合(F/E)を載せています。表の下に「推薦等入学者数には、総合型選抜(旧:AO入試)の入学者数を含む」と注記があります(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 32頁)。
| 年度 | 入学者数 | 推薦等入学者数 | 推薦割合 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 502,194人 | 259,428人 | 51.66% |
| 令和5年度 | 500,599人 | 266,331人 | 53.20% |
| 令和6年度 | 494,732人 | 258,552人 | 52.26% |
| 令和7年度 | 510,836人 | 273,728人 | 53.58% |
| 令和8年度 | 514,277人 | 274,381人 | 53.35% |
出典: 日本私立学校振興・共済事業団(2026)32頁の各年度の行・入学者数(E)・推薦等入学者数(F)・推薦割合(F/E)の列。F÷E を計算し直すと、どの行も表の推薦割合と一致します。平成元年度からの長い推移は入学者の内訳の推移に載せました。
この表を使うときの注意は3つです。
- 学校推薦型と総合型が分かれていない。「推薦等」の一つの数です。
- 私立大学だけの数字です。全国(国公私)の入学者に占める割合は、文部科学省の統計で見ます(国公私立大学入学者選抜実施状況の読み方)。
- 文部科学省の数字とは一致しない。令和6年度の私立大学で比べると、事業団の推薦割合は52.26%、文部科学省の資料の総合型と学校推薦型を足して入学者で割った値は59.3%です(文部科学省, 2024, 1〜2頁から計算)。対象校の範囲と区分の定義が資料ごとに違い、差の理由は2つの資料からは分かりません。
速報値と確定値
報告書の最新年度の値は速報値で、次の年度の報告書で確定します(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 1頁)。前年度の報告書の速報値と、今年度の報告書の確定値を並べると、次のように少しずつ違います。
| 項目 | 令和7年度 速報値(令和7年度版) | 令和7年度 確定値(令和8年度版) | 令和6年度 速報値(令和6年度版) | 令和6年度 確定値(令和7年度版) |
|---|---|---|---|---|
| 入学定員 | 502,755人 | 502,752人 | 503,874人 | 503,869人 |
| 志願者数 | 3,956,823人 | 3,956,823人 | 3,704,471人 | 3,704,472人 |
| 合格者数 | 1,465,691人 | 1,465,690人 | 1,490,680人 | 1,490,671人 |
| 入学者数 | 510,839人 | 510,836人 | 494,730人 | 494,732人 |
出典: いずれも各年度版の2頁「1.志願者数等の増減状況」の表。令和7年度の速報値は令和7年度版(日本私立学校振興・共済事業団, 2025)のR7年度の列、確定値は令和8年度版(日本私立学校振興・共済事業団, 2026)のR7年度の列。令和6年度の速報値は令和6年度版(日本私立学校振興・共済事業団, 2024)のR6年度の列、確定値は令和7年度版(日本私立学校振興・共済事業団, 2025)のR6年度の列。
違いは0〜9人で、比率の値(令和7年度の充足率101.61%など)は変わっていません。ただ、年度をまたいで表を作るときは、最新の報告書の確定値でそろえるのが筋です。このページと推移のページは、令和8年度版の値を使っています。
高校の先生が使うときに
- 私立大学の「入りやすさ」を全国の数字で語らない。充足率は規模・地域・学部系統で大きく違い、報告書も大学ごとの値は載せていません。
- 未充足の割合を「経営が危ない大学の割合」と言わない。事業団自身がそう注記しています。
- 推薦等の割合は「私立大学の入学者の半分強」と年度つきで言う。令和8年度は53.35%です。
このページで扱わないこと
- 短期大学と大学院: 報告書の36頁以降は扱っていません。
- 地域別の動向: 8〜19頁の地域別の表は使っていません。
- 大学別の数字: 報告書にもありません。
- 受験の準備: 入試の対策は扱いません。制度の全体は総合型選抜とは、全国の統計の一覧は全国の統計の入口にあります。
- 2026年10月9日に確かめた資料です。令和9年度版が出たら、令和8年度の確定値に置き換えます。
出典
- 日本私立学校振興・共済事業団 (2026). 令和8(2026)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向(2026年8月). https://www.shigaku.go.jp/files/shigan_doukouR8.pdf (頁は紙面の番号。PDFの頁は4つ大きい。「目次の頁」はPDFの3頁。2026年10月9日確認)
- 日本私立学校振興・共済事業団 (2025). 令和7(2025)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向. https://www.shigaku.go.jp/files/shigan_doukouR7.pdf (2026年10月9日確認)
- 日本私立学校振興・共済事業団 (2024). 令和6(2024)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向. https://www.shigaku.go.jp/files/shigandoukouR6.pdf (2026年10月9日確認)
- 日本私立学校振興・共済事業団 (n.d.). 入学志願動向(掲載ページ). https://www.shigaku.go.jp/s_center_d_shigandoukou.htm (2026年10月9日確認)
- 文部科学省 (2025). 令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況. https://www.mext.go.jp/content/20251126-mxt_daigakuc02-000045982_01.pdf (2026年10月9日確認)
- 文部科学省 (2024). 令和6年度国公私立大学入学者選抜実施状況. https://www.mext.go.jp/content/20241120-mxt_daigakuc02-000038880_1.pdf (2026年10月9日確認)
よくある質問
私立大学の何割が定員割れですか。
令和8年度は、集計595校のうち入学定員充足率が100%未満の大学が275校で、46.2%です(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 2頁)。令和7年度は316校(53.2%)、令和6年度は354校(59.2%)でした(同, 33頁)。事業団は、定員に1人でも満たなければ未充足と数え、未充足であることが直ちに経営状況の悪化を示すものではないと注記しています(同, 2頁)。
私立大学の入学者のうち、推薦や総合型で入った人は何割ですか。
令和8年度は入学者514,277人のうち推薦等入学者が274,381人で、53.35%です。推薦等入学者数には総合型選抜(旧AO入試)の入学者数を含みます(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 32頁)。この報告書は学校推薦型と総合型を分けて示していません。
志願倍率と合格率はどう計算されていますか。
志願倍率は志願者数÷入学定員、合格率は合格者数÷受験者数、歩留率は入学者数÷合格者数、入学定員充足率は入学者数÷入学定員です(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 1頁)。令和8年度は志願倍率8.62倍、合格率34.70%、歩留率35.95%でした(同, 2頁)。志願者数・合格者数は延べ数なので、合格率は1人の受験生の見込みではありません。
文部科学省の統計と私立大学の入学者数が違うのはなぜですか。
対象と数え方が違うためです。事業団の報告書は株式会社が設置する学校を除き、通信教育部のみを置く学校と募集を停止している学校も集計から外しています(日本私立学校振興・共済事業団, 2026, 1頁)。文部科学省の「国公私立大学入学者選抜実施状況」は令和7年度に私立599大学を数え、外国人留学生の選抜も含めています。令和7年度の私立大学の入学者は、事業団510,836人、文部科学省512,232人です。
大学ごとの数字は載っていますか。
載っていません。規模別・地域別・学部系統別などの集計だけです。このページも私立大学の合計と区分ごとの集計だけを扱います。
総合型選抜の対策(志望理由書・活動報告書・小論文・面接)は、武蔵野個別指導塾 武蔵境本校で副塾長の宮川涼が直接受け持っています。
公式の総合型選抜ページへ