総合型選抜の資料室運営: 武蔵野個別指導塾 武蔵境本校

アドミッション・ポリシーの読み方——実施要項の決まりと、12大学の要項の実例

最終更新:2026-10-09

アドミッション・ポリシーは「求める学生像」の作文ではありません。文部科学省の実施要項は、抽象的な学生像だけでなく、高校までにどんな力を培ってほしいか、それをどう評価するかまで、できるだけ具体的に書くよう求めています。その決まりを手がかりに、12大学の要項の言葉を読みます。

アドミッション・ポリシーは「求める学生像」の作文ではない

総合型選抜や学校推薦型選抜の要項を開くと、最初の方に「アドミッション・ポリシー」が載っています。読み飛ばされがちな頁ですが、文部科学省はこの頁に、かなり具体的な中身を書くよう大学に求めています。

文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、アドミッション・ポリシーについて次のように書いています(文部科学省, 2026a, 第2、1頁)。

「アドミッション・ポリシーにおいて、抽象的な「求める学生像」だけではなく、入学志願者に高等学校段階までにどのような力を培うことを求めるのか、そうした力をどのような基準・方法によって評価・判定するのかなどについて可能な限り具体的に設定する。」

このページは、この決まりを手がかりに、武蔵境から通える12大学(亜細亜大学・日本獣医生命科学大学・東京外国語大学・東京農工大学・武蔵野大学・東京学芸大学・一橋大学・東京経済大学・電気通信大学・津田塾大学・東京女子大学・杏林大学)の2027年度(令和9年度)入試の要項に書かれたアドミッション・ポリシーと、方式ごとの「求める学生像」「趣旨」を読みます。引用は短くとどめ、全文は各大学の要項で読めるよう頁を付けました。

3つの方針の関係

実施要項は、大学入学者選抜の基本方針として、各大学が「卒業認定・学位授与の方針(以下「ディプロマ・ポリシー」という。)」と「教育課程編成・実施の方針(以下「カリキュラム・ポリシー」という。)」を踏まえて「入学者受入れの方針(以下「アドミッション・ポリシー」という。)」を定め、それにもとづいて入学者に必要な能力・適性などを多面的・総合的に評価・判定するとしています。この3つの方針は、学校教育法施行規則第165条の2の規定にもとづくものです(文部科学省, 2026a, 第1、1頁)。

3つの方針の順番は、次のように読めます(同, 第2、1頁)。

3つの方針の関係
方針書くこと(実施要項の言葉から)
ディプロマ・ポリシーその大学で育成を目指す人材像と、それにもとづいて学生が身に付けるべき資質・能力の目標
カリキュラム・ポリシーディプロマ・ポリシーを達成するために、どのような教育課程にもとづき、どのような学修を行うのか
アドミッション・ポリシーこれらを踏まえて、入学志願者に高校段階までにどのような力を培うことを求めるか、その力をどのような基準・方法で評価・判定するか

アドミッション・ポリシーは、卒業のときの姿から逆算して書かれる、というのが実施要項の考え方です。アドミッション・ポリシーだけを読んで分かりにくいときは、同じ学部のディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーを読むと、なぜその力を求めているのかが分かることがあります。亜細亜大学のように、要項に「本学の3つのポリシー」の頁を置き、学部・学科ごとの3つのポリシーを入試情報サイトにまとめている大学もあります(亜細亜大学, 2026a, 3頁)(亜細亜大学, 2026e)。

アドミッション・ポリシーに書くことになっている中身

実施要項の第2は、アドミッション・ポリシーについて、少なくとも次の4つを求めています(文部科学省, 2026a, 第2、1〜2頁)。

  1. 高校段階までに培ってほしい力: 抽象的な「求める学生像」だけではなく、入学志願者に高校段階までにどのような力を培うことを求めるのか。
  2. 評価の基準と方法: その力をどのような基準・方法で評価・判定するのか。
  3. 学力の三要素ごとの評価: 大学の特色に応じて、具体的な評価・判定の方法や、要素ごとの評価・判定の重み付けなどを検討したうえで、それぞれを適切に評価・判定する。
  4. 何をどの程度学んできてほしいか: 入学後の教育課程を踏まえ、高校で履修すべき科目や取得しておくことが望ましい資格などを列挙するなど、可能な限り具体的に書く。ただし、書く科目・資格は高校教育の内容・水準に配慮する。

ここで言う「学力の三要素」は、実施要項の第1が挙げる次の3つです(同, 第1、1頁)。

募集要項との関係

実施要項は、アドミッション・ポリシーを募集要項の中身とも結び付けています(文部科学省, 2026a, 第10の1、8頁)。

3つ目の決まりがあるので、同じ大学でも方式ごとに「この入試の趣旨」「求める学生像」が書かれていることがあります。総合型選抜を読むときは、大学全体のポリシーと、方式ごとの趣旨の両方を見る必要があります。小論文・面接・プレゼンテーションなども、アドミッション・ポリシーに応じて使うことが望ましいとされています(同, 第6の3、6頁)。

読む手順——全学・学部・方式の3つの段で

12大学の要項を読み比べると、アドミッション・ポリシーは3つの段に分かれて書かれていることが多いと分かります。次の順に読むと、何を評価する入試かが見えてきます。

  1. 置き場所を確かめる: 要項の冒頭にあるか、方式ごとの頁にあるか、大学のサイトにあるか。杏林大学は要項に各学部の「求める学生像、資質」の抜粋を載せ、全文と学科ごとのポリシーは大学のホームページで確かめるよう書いています(杏林大学, 2026a, Ⅰ-3頁)。東京経済大学は、各冊子の冒頭にその冊子の入試のアドミッション・ポリシーを載せ、詳しくは大学公式サイトを見るよう書いています(東京経済大学, 2026a, 1頁)。
  2. 全学の言葉を読む: 大学全体で求める人の大きな枠です。東京女子大学は「自ら考え行動しようとする学習意欲の高い女性を求めます。」と書いています(東京女子大学, 2026a, 2頁)。
  3. 学部・学科の言葉を読む: 学ぶ内容に近い言葉が出てきます。日本獣医生命科学大学は4学科とも「高等学校までに学ぶことを期待する教科」を「国語・英語・数学・理科」としています(日本獣医生命科学大学, 2026a, 1〜2頁)。実施要項の「何をどの程度学んできてほしいか」にあたる書き方です。
  4. 方式の趣旨を読む: その方式で特に見るものが書かれています。東京女子大学の数学的思考力型は「入試の趣旨を踏まえて、特に基礎学力試験(数学)の成績を重視します」と書き、評価の重みまで示しています(東京女子大学, 2026b, 3頁)。
  5. 評価の方法と対応させる: 一橋大学の商学部は、学校推薦型選抜で「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を、面接、調査書、推薦書、自己推薦書で評価するとしています(一橋大学, 2026a, 3頁)。どの力を、どの書類・試験で見るかが対応しています。

12大学の要項に書かれたアドミッション・ポリシーと趣旨

12大学の要項から、アドミッション・ポリシーの置き場所と、短い引用を並べました。引用は要項の言葉のままで、全文は大学のページか要項の頁で読んでください。

12大学の要項から、アドミッション・ポリシーの置き場所と、短い引用を並べました
大学アドミッション・ポリシーの置き場所要項の言葉(短い引用)出典
亜細亜大学全学のアドミッション・ポリシーは要項の「本学の3つのポリシー」の頁(3頁)。学部・学科ごとの3つのポリシーは入試情報サイトの「各学部の3つのポリシー」のページ(亜細亜大学, 2026a, 3頁/亜細亜大学, 2026e)「高等学校や社会での生活または活動を通じて得られた経験や技能などを有しており、本学の3つのポリシーを理解し、本学への入学意思および学修意欲が明確な者」(要項 8頁・10頁 総合型選抜入試(学科課題型・自己推薦型)の求める学生像)/「高等学校において、一定以上の学業成績を修め、校内におけるさまざまな活動(生徒会活動・課外活動等)にも積極的に参加するなど、充実した高等学校生活を送ってきた者」(要項 6頁 公募推薦入試の求める学生像)亜細亜大学, 2026a, 8頁・10頁・亜細亜大学, 2026a, 6頁
日本獣医生命科学大学アドミッション・ポリシーは学部・学科ごとに定められ、要項の冒頭(1〜2頁)と受験生サイトのページに載っている(日本獣医生命科学大学, 2026a, 1〜2頁/日本獣医生命科学大学, 2026b)「国語・英語・数学・理科」(要項 1〜2頁 4学科のアドミッション・ポリシーの「高等学校までに学ぶことを期待する教科」)/「高等学校在学中の成績・人物等が優秀であり、かつ各学科への志望理由の明確な者」(要項 8頁 一般公募推薦の趣旨)日本獣医生命科学大学, 2026a, 1〜2頁・日本獣医生命科学大学, 2026a, 8頁
東京外国語大学学士課程のアドミッション・ポリシーは、学生募集要項の冒頭(1頁)と入学者選抜要項の「東京外国語大学の理念と方針」(1頁)(東京外国語大学, 2026a, 1頁/東京外国語大学, 2026b, 1頁)「推薦される生徒に高度な英語力を備えていることを求めており」(学生募集要項 1頁 学校推薦型選抜の方針)/「課題図書の著者の主張を踏まえ自分の考えを論理的に展開することができるか」(学生募集要項 1頁 選抜方法の方針(国際社会学部の小論文))東京外国語大学, 2026a, 1頁
東京農工大学大学全体と学部のアドミッション・ポリシーは総合型要項の2〜3頁、学科ごとの教育目標とアドミッション・ポリシーは推薦要項の3〜5頁(東京農工大学, 2026a, 2〜3頁/東京農工大学, 2026b, 3〜5頁)「一般選抜では評価することが難しい専門分野への適性、意欲、目的意識、コミュニケーション能力、基礎学力などを総合的に判定する」(総合型要項 6頁 ゼミナール入試の趣旨)東京農工大学, 2026a, 6頁
武蔵野大学全学の入学者受け入れ方針は要項の1頁、入試制度ごとの方針は2頁、学部・学科ごとのアドミッション・ポリシーは2〜11頁「本学の建学の精神、教育目標を理解するとともに、育成する人材像に共感し、教育課程に積極的に取り組む姿勢を持つ者」(要項 1頁 全学の入学者受け入れ方針の求める学生像)/「学力だけでは見出すことのできない能力や意欲、将来の可能性等を高校在学時の活動状況等から審査・評価する」(要項 1頁 入学選抜の基本方針)武蔵野大学, 2026a, 1頁
東京学芸大学教育学部のアドミッション・ポリシーは、総合型・推薦の2つの要項の5〜7頁(東京学芸大学, 2026a, 5〜7頁/東京学芸大学, 2026b, 5〜7頁)「有為の教育者」(総合型要項 5頁 教育学部のアドミッション・ポリシー(大学が求める人))/「学校の内外を問わず取り組んできた様々な活動により培った資質・能力」(総合型要項 6頁 アドミッション・ポリシーの表(総合型選抜の選考全体で評価))東京学芸大学, 2026a, 5頁・東京学芸大学, 2026a, 6頁
一橋大学一橋大学研究教育憲章と5学部のアドミッション・ポリシーは推薦要項の2〜6頁「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」(推薦要項 3頁 商学部(面接、調査書、推薦書、自己推薦書で評価するもの))一橋大学, 2026a, 3頁
東京経済大学各冊子の冒頭(AO要項・資格要項・スポーツ要項の1頁)に、その冊子の入試のアドミッション・ポリシー。詳しくは大学公式サイト(東京経済大学, 2026a, 1頁/東京経済大学, 2026b, 1頁/東京経済大学, 2026c, 1頁)「実践的な知力」(AO要項 1頁 探究活動評価型選抜のアドミッション・ポリシー(探究活動への取り組みを通じて修得するもの))東京経済大学, 2026a, 1頁
電気通信大学情報理工学域のアドミッション・ポリシーは推薦要項の2〜4頁「総合コミュニケーション科学」(推薦要項 2頁 情報理工学域の求める学生像(「総合コミュニケーション科学」とその基盤となる自然科学と数学に強い興味と探究心を持つ人))電気通信大学, 2026a, 2頁
津田塾大学学科・方式ごとの要項の冒頭にアドミッション・ポリシー(国際関係学科の総合型選抜要項は1頁)。国際関係学科は第1次選考で学科の求める学生像を基準に書類を審査する(津田塾大学, 2026c, 1頁・6頁)「自らの考えを文章で適切に表現する力」「対話を通して問いに深く向き合う力」「国際社会を広い視野をもって考察する力」(国際関係学科 総合型選抜要項 2頁 この入試で評価する力)津田塾大学, 2026c, 2頁
東京女子大学大学全体のアドミッション・ポリシーと学科ごとの方針はディスカッション型要項の2頁に全文。各方式の趣旨は各要項の3頁「自ら考え行動しようとする学習意欲の高い女性を求めます。」(ディスカッション型要項 2頁 大学全体のアドミッション・ポリシー)/「情報を整理分析する力、論理的に思考する力、課題を発見する力、リーダーシップ、自分の意見を表現する力等」(ディスカッション型要項 3頁 ディスカッション型の趣旨)東京女子大学, 2026a, 2頁・東京女子大学, 2026a, 3頁
杏林大学大学全体のアドミッション・ポリシーは要項 Ⅰ-2頁、各学部の「求める学生像、資質」の抜粋は Ⅰ-3頁。全文と学科ごとのポリシーは大学のホームページで確かめるよう書かれている「実践的かつ高度な外国語運用能力を身につけた上で、グローバル化する実社会において活躍する意欲がある人」(学生募集要項 Ⅰ-3頁 外国語学部の「求める学生像、資質」の抜粋)/「保健・医療・福祉に貢献したいという意欲を持ち、さらにその意欲を向上させたいという熱意を持つ人」(学生募集要項 Ⅰ-3頁 保健学部の「求める学生像、資質」の抜粋)杏林大学, 2026a, Ⅰ-3頁

実例から読み取れること

ポリシーと出願の条件が対応している例。東京外国語大学の学生募集要項は、学校推薦型選抜の方針として、推薦される生徒に「高度な英語力を備えていることを求めており」、文部科学省の対照表でCEFR B2以上を取得していることが推薦の条件になると書いています(東京外国語大学, 2026a, 1頁)。出願資格の頁でもB2以上が条件になっていて、ポリシーの言葉がそのまま出願の条件に表れています(同, 4〜5頁)。英語の条件の詳しい一覧は英語の外部検定の一覧にあります。

ポリシーが評価の観点として表になっている例。東京学芸大学は、総合型選抜で「学校の内外を問わず取り組んできた様々な活動により培った資質・能力」を選考全体で評価するとしています(東京学芸大学, 2026a, 6頁)。出願書類では、学力の三要素のうち「思考力・判断力・表現力等」と「主体性を持ち,多様な人々と協働しつつ学習する態度」、そして「教師又は教育支援人材への意欲・適性」を評価するとしていて、学力の三要素の②③と、教員養成の学部としての観点が並んでいます(同, 10頁)。

期待する科目まで書いている例。東京学芸大学の専攻ごとの方針は、たとえばD類(養護教育)について、大学入学までに特に「生物」と「保健」をしっかり学修して入学することを期待すると書いています(東京学芸大学, 2026a, 7頁)。実施要項の「高等学校で履修すべき科目」を書く決まりにあたります。

選考の方法をポリシーで説明している例。東京経済大学の資格取得者選抜・スカラシップ選抜は、高度な資格を持つ人は基礎学力が一定の水準にあると判断し、面接試験だけを行うと書いています(東京経済大学, 2026b, 1頁)。武蔵野大学の総合型選抜Ⅰ期・Ⅲ期の方針は「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接を組み合わせ」と書き、実施要項の総合型選抜の定義と同じ言葉を使っています(武蔵野大学, 2026a, 2頁)(文部科学省, 2026a, 第3の1(2)、2頁)。

読み違えやすいところ

このページで扱わないこと

出典

よくある質問

アドミッション・ポリシーとは何ですか。

大学が定める「入学者受入れの方針」です。文部科学省の実施要項は、大学入学者選抜を、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーを踏まえて定めるアドミッション・ポリシーにもとづいて、入学者に必要な能力・適性などを多面的・総合的に評価・判定するものと位置づけています(文部科学省, 2026a, 第1、1頁)。

3つのポリシーはどういう関係ですか。

ディプロマ・ポリシーで育てたい人材と身に付けさせる力を、カリキュラム・ポリシーでそのための教育課程と学修を書き、それらを踏まえてアドミッション・ポリシーで入学者に求める力と評価の方法を書く、という順です(文部科学省, 2026a, 第2、1頁)。

アドミッション・ポリシーはどこに書いてありますか。

多くの大学は募集要項の冒頭に載せています。この資料室の12大学では、亜細亜大学は要項の3頁、東京外国語大学は学生募集要項の1頁、武蔵野大学は要項の1〜11頁などです。杏林大学のように要項には抜粋だけを載せ、全文は大学のホームページで確かめるよう書いている大学もあります(亜細亜大学, 2026a, 3頁)(東京外国語大学, 2026a, 1頁)(武蔵野大学, 2026a, 1頁)(杏林大学, 2026a, Ⅰ-3頁)。

アドミッション・ポリシーに合わないと出願できませんか。

アドミッション・ポリシーそのものは出願の条件ではありません。出願できるかどうかは、要項の出願資格の頁に書かれた条件(評定・英語の検定・卒業年など)で決まります。ポリシーは、選考で何を評価するかを読む手がかりです。

学力の三要素とは何ですか。

実施要項が、アドミッション・ポリシーにもとづいて把握するとしている学力の3つの要素です。①基礎的・基本的な知識・技能、②知識・技能を活用して自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力、③主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度、の3つです(文部科学省, 2026a, 第1、1頁)。

総合型選抜の対策(志望理由書・活動報告書・小論文・面接)は、武蔵野個別指導塾 武蔵境本校で副塾長の宮川涼が直接受け持っています。

公式の総合型選抜ページへ