2027年度入試で実施要項の何が変わったか——文部科学省の新旧対照表を条ごとに読む
2027年度入試(令和9年度)の実施要項でいちばん大きな変更は、総合型選抜と学校推薦型選抜の面接の必須化です。ただ、新旧対照表を条ごとに追うと、学力テストの置き場所、一般選抜の定義、入学料、不正行為の防止まで、変わった箇所はほかにもあります。高校生と進路指導の先生が自分で原本を確かめられるよう、条と頁を付けて読みます。
- 文部科学省は令和9年度(2027年度入試)の実施要項で、総合型選抜と学校推薦型選抜の面接による評価を必須にしました。ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問、オンラインでの実施も面接に含まれます(文部科学省, 2026d, 1〜2頁)。
- 例外は2つです。非公募型の学校推薦型選抜で、合格したら入学すると確約して受けるものは、大学が面接の要否を判断できます。令和8年度にすでにあった選抜区分で導入が難しいものは、遅くとも令和11年度入試(2029年度入試)までに面接を入れます(文部科学省, 2026a, 3頁・15頁)。
- 2月1日より前に教科・科目の個別テストを行える規定は、第4の2の「なお書き」から、第4の4(総合型)・第4の5(学校推薦型)に移りました。前倒しの実施は認められたままで、条件が第3の1の留意点を守ることに変わりました(文部科学省, 2026d, 3〜4頁)。
- 総合型選抜では、志願者本人が書く資料の扱いが「積極的に活用」から「必ず評価に活用」に強まりました。学力の確かめ方には「言語能力及び数理的思考力」の語が加わりました(文部科学省, 2026d, 1〜2頁)。
- 変更の背景には、令和8年度入試で、一部の大学が2月1日より前に配点の大部分を学力テストに置いた選抜を行ったことがあります。大学入学者選抜協議会はこれを「一般選抜の前倒し」として許されないとしました(文部科学省, 2026e, 3頁)。
この頁の読み方
文部科学省は毎年、大学入試のきまりを「大学入学者選抜実施要項」(以下、実施要項)として通知しています。2027年4月に大学へ入る人の入試は「令和9年度大学入学者選抜」と呼ばれ、その実施要項は2026年5月27日付けで通知されました(文部科学省, 2026a)(文部科学省, 2026b)。入試そのものは2026年度のうちに行われるので、要項の末尾には「令和8年度に実施する令和9年度大学入学者選抜に適用する」と書かれています(文部科学省, 2026a, 第14、15頁)。実施要項のほか、共通テストの要項や各大学の要項がいつ公表されるかは、大学入試の公表の暦で解説しています。
変更点は、文部科学省が公表した「令和9年度大学入学者選抜実施要項の主な変更点」で確かめられます。左に令和9年度、右に令和8年度の本文を並べた新旧対照表です(以下、新旧対照表)。変わらない条は「(略)」と書かれ、変わった条だけが本文で載っています(文部科学省, 2026d)。
この頁は、新旧対照表を前から順に読み、条ごとに「何が足され、何が消え、何が動いたか」を書きます。総合型選抜と学校推薦型選抜の定義や出願・発表の時期そのものは、総論の総合型選抜とは——実施要項で読むにまとめてあります。この頁はその「変わったところ」だけを詳しく扱います。
変更点を確かめる4つの資料
| 資料 | 日付 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 令和9年度 実施要項(局長通知の別紙1) | 2026年5月27日付け | きまりの本文。条と頁で引ける正本 |
| 実施要項等についての通知 | 2026年5月27日付け | 前年度からの「主な変更点」を4つにまとめた箇条と、変更の理由 |
| 実施要項の主な変更点(新旧対照表) | 協議会の事後配布資料 | 条ごとの新旧の本文。どこが動いたかが分かる |
| 実施要項等に関するQ&A | 2026年9月2日更新 | 大学からの問いへの文部科学省の答え。面接の中身などの解釈 |
通知は国公私立大学長だけでなく、都道府県教育委員会の教育長や知事などにも宛てられ、所管の高校への周知を求めています(文部科学省, 2026b, 1〜2頁)。高校の先生が入試の変更を知る経路は、この通知が出発点です。
通知が挙げた4つの主な変更点
通知は、令和9年度の実施要項の前年度からの主な変更点を、次の4つにまとめています(文部科学省, 2026b, 1頁)。
- 総合型選抜と学校推薦型選抜の趣旨に照らして、面接による評価を必ず行うこととした。非公募型の学校推薦型選抜で入学を確約するものは大学が要否を判断できる。令和8年度にすでにあった選抜区分で導入が難しいものは、遅くとも令和11年度入試までに導入する。
- 文理横断・文理融合教育を通じた課題解決力の涵養などの重要性から、「言語能力及び数理的思考力」の育成に配慮することとした。
- 「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について(通知)」(令和7年6月26日)に関する記載を追記した。
- 不正行為の防止のため、本人確認を適正に行うことや、オンライン試験に関する留意事項などを追記した。
以下、この4つが新旧対照表のどの条に入っているかを順に見ます。
第3の1(2) 総合型選抜——4つの留意点の並べ替え
総合型選抜の条は、定義の文と、①から④の留意点の両方が書き換わりました(文部科学省, 2026d, 1〜2頁)。
| 令和8年度 | 令和9年度 | |
|---|---|---|
| 定義 | 詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせつつ評価・判定する入試方法 | 「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと」を冒頭に置き、能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法 |
| ① 本人が書く資料 | 積極的に活用する | 必ず評価に活用する |
| ② 面接 | (規定なし。②は多面的・総合的な評価と職業分野の学部の留意) | 面接による評価を必ず行う。障害等の特性に配慮する |
| ③ 学力の確かめ方 | 第6の1から4のうち少なくとも1つを必ず使う。第6の1(個別テスト)は第4の2にもとづいて行う | 「言語能力及び数理的思考力を含め」を足す。第6の1を使う場合は学修に必要な範囲で高校段階の基礎的な学習の成果を問い、他の評価方法とバランスの取れた配分にする |
| ④ 職業分野の学部 | (②の後半にあった) | 独立した④になった。内容は同じ |
本人が書く資料とは、要項の注によれば活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書などです(文部科学省, 2026a, 2頁)。令和8年度は「積極的に活用」でしたから、使わない選抜もありえました。令和9年度は「必ず評価に活用する」になり、総合型選抜を名乗る以上、本人が書く資料を評価に使わない選抜は要項の上ではなくなりました。
面接の②には「ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。」という括弧書きが付いています。面接といっても1対1の質疑に限らず、集団討論やプレゼンテーションの形でもよいということです。同じ②の後半で、第13の2(2)(障害のある入学志願者への合理的配慮)を含め、障害等の特性に配慮するよう求めています(文部科学省, 2026a, 第3の1(2)②、2頁)。
第3の1(3) 学校推薦型選抜——面接の必須化と非公募型の例外
学校推薦型選抜の条も、定義の冒頭に「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと」が入りました。そのうえで①が新しく置かれ、旧①は②に、旧②は③に繰り下がっています(文部科学省, 2026d, 2〜3頁)。
新しい①は、総合型選抜と同じく面接による評価を必ず行うと定め、続けて例外を置いています。
「ただし、高等学校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができる。」(文部科学省, 2026a, 第3の1(3)①、3頁)
例外に当たるには、「非公募型」であることと「入学の確約」の両方が要ります。公募制の学校推薦型選抜や、合格しても他大学に進める学校推薦型選抜は例外に当たらず、面接が必須です。協議会資料は、この例外を「附属高等学校からのものを含む非公募型かつ専願の指定校推薦」と括弧書きで言い換えています(文部科学省, 2026e, 5頁)。例外に当たる場合も「要否を判断することができる」であって、面接をしないと決まったわけではありません。公募制と非公募型の違いは公募制と非公募型(指定校推薦)の違いで扱います。
②の学力の確かめ方は、総合型選抜の③と同じ書き換えです。「言語能力及び数理的思考力を含め」が加わり、個別テストを使う場合の条件が「第4の2に基づき実施」から「基礎的な学習の成果」「バランスの取れた配分」に変わりました(文部科学省, 2026d, 3頁)。
第3の1(1) 一般選抜——面接の位置が変わった
見落とされやすいのが一般選抜の定義の変更です(文部科学省, 2026d, 1頁)。
- 令和8年度: 「学力検査、小論文・面接・実技検査等を主な資料としつつ、調査書、志願者本人の記載する資料等を組み合わせる入試方法。」
- 令和9年度: 「学力検査、小論文等を主な資料とし、また、大学・学部等の目的、特色、専門分野等の特性によっては実技検査等を主な資料に加えつつ、調査書、面接、入学志願者本人の記載する資料等を組み合わせて、入学志願者の能力・意欲・適性等を評価・判定する入試方法。」
一般選抜の「主な資料」から面接が外れ、調査書や本人が書く資料と並ぶ「組み合わせる」側に置かれました。実技検査は、専門分野などの特性によって主な資料に加える位置づけです。総合型・学校推薦型では面接が必須になり、一般選抜では学力検査と小論文が中心だという三区分の性格の違いが、文言の上でもはっきりしました。
第4 試験期日等——2月1日より前の学力テストの規定が移った
第4では、日付の更新のほかに、規定の置き場所が動いています(文部科学省, 2026d, 3〜4頁)。
| 条 | 令和8年度 | 令和9年度 |
|---|---|---|
| 第4の1 共通テスト | 本試験 2026年1月17日・18日、追試験 1月24日・25日 | 本試験 2027年1月16日・17日、追試験 1月23日・24日 |
| 第4の2(1) 個別テストの期日 | 2月1日から3月25日まで。なお書きで、総合型・学校推薦型が2月1日より前に個別テストを行うときは、出願書類に加え第6の3または5の評価方法と必ず組み合わせて丁寧に評価する | 2月1日から3月25日まで。なお書きは削除 |
| 第4の4 総合型選抜 | 出願は9月1日以降、発表は11月1日以降 | 趣旨(時間をかけて丁寧に選抜を行うため)を明記。第3の1(2)を守ったうえで個別テストを2月1日より前に行える。高校教育への影響と負担に配慮 |
| 第4の5 学校推薦型選抜 | 出願は11月1日以降、発表は12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前まで | 同じ趣旨と、第3の1(3)を守ったうえで2月1日より前に個別テストを行える旨を追記 |
令和8年度は、前倒しの条件が、第6の3(小論文・面接・実技検査等)または第6の5(本人が書く資料等)と組み合わせることでした。令和9年度は、その条件が、第3の1(2)(学校推薦型は(3))に記載の事項を「遵守した上で」行うことに置き換わりました。第3の1の留意点には面接の必須化と、個別テストの「基礎的な学習の成果」「バランスの取れた配分」が入っています。前倒しの条件は、面接と配分の制限まで含むものに広がったことになります。年内に行う学力テストのきまりは、年内入試の学力テストのきまりで詳しく読みます。
第6 評価方法——文理横断の一文と、小論文の留意の範囲
第6では2か所が変わりました(文部科学省, 2026d, 4〜5頁)。
1つ目は第6の1(2)です。教科・科目を大学が定めるという本文のあとの「なお」の文に、「文理横断・文理融合教育を通じた課題解決力の涵養等の重要性に鑑み、高等学校における言語能力及び数理的思考力の育成に十分配慮する」が加わりました。通知の2つ目の変更点がここに当たります。複数教科を統合した総合的な問題の出題などの工夫は、令和8年度から引き続き書かれています。
2つ目は第6の3(小論文・面接・実技検査等)の最後の段落です。令和8年度は「令和8年2月1日以前に行う際、専ら教科・科目に係る知識等を問うこと」にならないよう求めていました。令和9年度は「令和8年2月1日以前に行う際」の限定がなくなり、時期を問わず、小論文などの形で教科の知識を問う問題を出すことにならないよう留意するという文になりました。
第10 募集要項と入学手続
第10の1(3)は、2つ以上の選抜区分を設けるときに、区分ごとの評価・判定の方法や区分を設ける理由を示すという条です。令和9年度は、その理由を「アドミッション・ポリシーとの関係を整理して示した上で」募集人員などを書くことになりました(文部科学省, 2026d, 5頁)。アドミッション・ポリシーの読み方はアドミッション・ポリシーの読み方にまとめています。
第10の2(2)は入学料を含む学生納付金の条です。踏まえる通知に、令和7年6月26日付けの「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について(通知)」などが加わりました。求める内容も「その額の抑制に努め」から「その額の抑制及び負担軽減のための方策を講ずるよう努める」に広がり、各大学が設定している額や納付時期の趣旨・考え方について、社会の理解を得られるよう積極的に説明することが加わりました(文部科学省, 2026d, 5〜6頁)。合格後の納付金と入学辞退の扱いは入学手続と入学辞退のきまりで扱います。
第13 体制の整備・不正行為の防止・外国人を対象とした入試
第13(その他注意事項)は、項目の組み立てが変わりました。令和8年度は11項目、令和9年度は13項目です(文部科学省, 2026a, 第13、9〜15頁)(文部科学省, 2026d, 6〜12頁)。
- 1 入学者選抜の実施に係る体制の整備(新設)。令和8年度は「ミスの防止」の(1)にあった学長のもとでのガバナンス体制の構築を独立させ、教員と事務職員が一体となり「出願から試験実施、評価・判定、入学に至るまでの業務を一貫したプロセスとして管理する」ことを加えました。
- 6 受験者による不正行為の防止(新設)。令和8年度は「公平性・公正性の確保」の(3)にありました。出願書類の真正性の確保、持ち込めない物の扱い、不正行為と罰則、追加の確認や警察への被害届の可能性を募集要項などで周知すること、本人確認を適正に行うこと、巡視で注意する観点に「服装」を加えること、オンライン試験での本人確認、入学時点での本人確認が並びます。
- 12 外国人を対象とした入試。日本語で授業を行う場合の日本語の能力の目安が、令和8年度の「日本語能力試験N2レベル相当以上」から、令和9年度は「日本語教育の参照枠」で「B2以上」に変わりました。可能な限り渡航を伴わない方法で行う工夫の一文は削られています。
協議会資料によれば、不正行為の防止の追記は、大学入学共通テストや個別選抜で通信機器の悪用や別人によるなりすましなどが起きたことを受け、協議会のもとに置かれた試験運営のワーキンググループの審議を反映したものです(文部科学省, 2026e, 10頁)。
第14 備考——令和11年度入試までの経過措置
第14には、令和8年度にはなかったただし書きが入りました。
「ただし、令和9年度大学入学者選抜における総合型選抜又は学校推薦型選抜のうち、令和8年度に既に実施されていた選抜区分であって、第3の1(2)又は(3)に則って令和9年度大学入学者選抜から面接を導入することが難しいものについては、遅くとも令和 11 年度大学入学者選抜までに面接を導入する。」(文部科学省, 2026a, 第14、15頁)
協議会資料は、その理由を「大学・高等学校等が新たな措置に対応するためには準備期間が必要であることから」と説明しています(文部科学省, 2026e, 5頁)。年度の対応は次のとおりです。高校の学年は、2026年度に在籍し、現役で進学する場合の目安です。
| 入試の呼び方 | 入学する年 | 2026年度の学年 | 面接のきまり |
|---|---|---|---|
| 令和9年度入試 | 2027年4月 | 高校3年 | 必須。ただし令和8年度からある区分は経過措置がありうる |
| 令和10年度入試 | 2028年4月 | 高校2年 | 必須。経過措置の区分が残っている可能性がある |
| 令和11年度入試 | 2029年4月 | 高校1年 | 経過措置の区分も、遅くともこの年度までに面接を導入する |
経過措置の対象は「令和8年度に既に実施されていた選抜区分」だけです。令和9年度に新しく設けた総合型・学校推薦型の区分には、経過措置はありません。
なぜ変わったのか
通知の2頁目と、同じ日付の大学入学者選抜協議会の「大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い」が、変更の経緯を書いています。
令和8年度の実施要項は、総合型選抜と学校推薦型選抜について、小論文・面接などや本人が書く資料と組み合わせて丁寧に評価するのであれば、2月1日より前に教科・科目の個別テストを行えるようにしました。ところが令和8年度入試では、一部の大学で、2月1日より前に行う個別テストの配点割合が著しく高かったり、ほかの要素が点数化されていなかったりして、実質的に学力検査の成績に大きく偏って合否が決まる事例がありました(文部科学省, 2026b, 2頁)。
協議会は、学力検査が評価・判定の大部分を占める選抜を2月1日より前に行うことを、実質的な「一般選抜の前倒し」であり、要項の趣旨から「許されるものではありません」と書いています。そのうえで、令和9年度の要項は総合型選抜・学校推薦型選抜の本来の趣旨に立ち返り、原則として面接を必ず組み合わせることにした、と説明しています。各大学には、評価方法ごとの配点割合を公表するなどして、要項の趣旨に沿った選抜であることを対外的に説明するよう求めています(文部科学省, 2026e, 3頁)(大学入学者選抜協議会, 2026)。
面接はすでに多くの選抜で行われていました。協議会資料が引く令和7年度の大学入学者選抜実態調査では、大学の選抜区分のうち、総合型選抜の92.6%、学校推薦型選抜の77.4%で面接が行われていました(短期大学では96.0%と95.6%)(文部科学省, 2026e, 5頁)。令和7年度の時点では、面接を行っていない区分が総合型選抜で7.4%、学校推薦型選抜で22.6%ありました(同, 5頁から計算)。
ここ数年の流れ——区分の再整理から面接の必須化まで
令和9年度の変更は、ここ数年の改定の続きにあります。
- 令和7年度: 入試方法の区分が「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」に再整理されました。それまでの「専門学科・総合学科卒業生選抜」「帰国生徒選抜・社会人選抜」「多様な背景を持った者を対象とする選抜」は、選抜の方法に応じてこの3つのどれかに位置づけて行います(文部科学省, 2026c, Q3-1)。多様な背景を持った者を対象とする選抜の経緯は、女子枠・地域枠などの選抜で解説しています。
- 令和8年度: 実施要項の「個別学力検査」の語が「教科・科目に係る個別テスト」に変わりました。Q&Aは、大学の公表資料の文言の変更までは求めないが、誤解が生じないよう丁寧に説明するよう答えています(文部科学省, 2026c, Q3-2)。総合型・学校推薦型で、条件つきで2月1日より前に個別テストを行えるようになったのもこの年度です(文部科学省, 2025, 第4の2(1)、3頁)。
- 令和9年度: 総合型・学校推薦型の面接の必須化、本人が書く資料の必須化(総合型)、個別テストの配分の制限が入りました。
Q&Aは、面接の必須化が個別テストの有無や時期と関係なくかかることも確かめています。2月1日以降に個別テストを行う場合や、個別テストを行わない場合でも、総合型・学校推薦型に位置づける選抜なら面接による評価を行います(文部科学省, 2026c, Q3-5)。外国人留学生の試験でも、総合型・学校推薦型に位置づけるなら面接が要ります(同, Q3-7。2026年9月2日更新)。
よくある取り違え
- 「2027年度入試から、どの総合型選抜にも必ず面接がある」: 要項は必須としましたが、令和8年度からある区分には令和11年度入試までの経過措置があります。2027年度入試で面接があるかどうかは、大学の募集要項で確かめます。
- 「指定校推薦は面接がなくなった」: 逆です。学校推薦型選抜も面接が原則必須で、非公募型かつ入学を確約するものだけ、大学が要否を判断できます。
- 「2月1日より前の学力テストは禁止された」: 禁止ではありません。前倒しの実施は第4の4・5で認められたままで、条件が厳しくなりました。
- 「オンライン面接は面接に入らない」: 入ります。要項の括弧書きに「オンラインによる実施を含む」とあります。入らないのは、評価者が直接評価しないAI面接や、即時の応答がないペーパーインタビューです(文部科学省, 2026c, Q3-6)。
- 「一般選抜は変わっていない」: 定義の文が変わり、面接は主な資料から組み合わせる資料の側に移りました。
面接が必須になったことが受験生の準備にどう響くかは、運営者の公式サイトの総合型選抜の面接が必須になると、何が変わるかで扱っています。この頁では準備の話はしません。
このページの限界
- 国の要項の変更だけを書いています。各大学の募集要項でどう変わったかは扱いません。大学ごとの面接の有無は、大学別の一覧の各大学のページか、大学の募集要項で確かめてください。
- 令和9年度(2027年度入試)の要項です。令和10年度の実施要項が出たら、この頁の比較は古くなります。
- 新旧対照表は変わった条だけを載せています。「(略)」の条は変わっていない扱いで、この頁でも取り上げていません。
- 引用は要約を含みます。表の中の文は要項の文を短くまとめたものです。正確な文言は出典の頁で確かめてください。
出典
- 文部科学省 (2026a). 令和9年度大学入学者選抜実施要項(令和8年5月27日付け 8文科高第318号 文部科学省高等教育局長通知 別紙1). https://www.mext.go.jp/content/20260529-mxt_daigakuc02--000010813_1.pdf (掲載ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1346785.htm ・2026年10月9日確認)
- 文部科学省 (2026b). 令和9年度大学入学者選抜実施要項及び大学院入学者選抜実施要項等について(通知). 2026年5月27日. https://www.mext.go.jp/content/20260526-mxt_daigakuc02-000010813_1.pdf
- 文部科学省 (2026c). 令和9年度大学入学者選抜実施要項等に関するQ&A(令和8年9月2日更新). https://www.mext.go.jp/content/20260902-mxt_daigakuc02-000010813.pdf (Q番号で引用)
- 文部科学省 (2026d). 令和9年度大学入学者選抜実施要項の主な変更点(新旧対照表・全12頁). 令和8年度 大学入学者選抜・教務関係事項連絡協議会 事後配布資料. https://www.mext.go.jp/content/20260930-mxt_daigakuc02-000052178_3.pdf (2026年10月9日確認)
- 文部科学省 (2026e). 令和9年度大学入学者選抜実施要項について(令和8年度 大学入学者選抜・教務関係事項連絡協議会 事前配布資料・全12頁). https://www.mext.go.jp/content/20260928-mxt_daigakuc02-000052178_1-1.pdf (2026年10月9日確認)
- 文部科学省 (2025). 令和8年度大学入学者選抜実施要項(令和7年6月3日付け 7文科高第313号 文部科学省高等教育局長通知 別紙). https://www.mext.go.jp/content/20250701-daigakuc_000010813_1.pdf (頁は紙面の番号。PDFの頁は2つ大きい)
- 大学入学者選抜協議会 (2026). 大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い. 2026年5月27日. https://www.mext.go.jp/content/20260928-mxt_daigakuc02-000052178_5-4.pdf
よくある質問
2027年度入試から、総合型選抜には必ず面接がありますか。
実施要項は総合型選抜で面接による評価を必ず行うと定めました(文部科学省, 2026a, 第3の1(2)②、2頁)。ただし令和8年度にすでにあった選抜区分で、令和9年度から面接を入れるのが難しいものは、遅くとも令和11年度入試までに導入すればよいとされています(同, 第14、15頁)。2027年度入試の時点で面接があるかどうかは、大学の募集要項で確かめます。
指定校推薦にも面接は必要になりましたか。
学校推薦型選抜も面接が必須になりました。ただし、高校との緊密な連携で丁寧なマッチングが図られている非公募型で、合格したら入学すると確約して受けるものは、大学の実情に応じて面接の要否を判断できます(文部科学省, 2026a, 第3の1(3)①、3頁)。協議会資料はこれを「附属高等学校からのものを含む非公募型かつ専願の指定校推薦」と言い換えています(文部科学省, 2026e, 5頁)。
AI面接やペーパーインタビューは面接に数えられますか。
数えられません。Q&Aは、評価者が直接評価すること、受験者が質問に即時にインタラクティブに応答すること、複数の評価者などの体制を整えることを挙げ、「AI 面接やペーパーインタビューによって今回必ず行うこととされた面接を代替することはできません」と答えています(文部科学省, 2026c, Q3-6)。
2月1日より前の学力テストは禁止されたのですか。
禁止されていません。令和9年度の要項でも、総合型選抜と学校推薦型選抜は、第3の1の留意点を守ったうえで、教科・科目の個別テストを2月1日より前に行うことができます(文部科学省, 2026a, 第4の4・5、4頁)。ただし、その成績が評価・判定の大部分を占めないよう求められています(文部科学省, 2026c, Q3-3)。
一般選抜の定義も変わりましたか。
変わりました。令和8年度は「学力検査、小論文・面接・実技検査等を主な資料」としていましたが、令和9年度は「学力検査、小論文等を主な資料」とし、面接は調査書や本人が書く資料と並ぶ「組み合わせる」側に移りました。専門分野によっては実技検査等を主な資料に加えるとの文言も入りました(文部科学省, 2026d, 1頁)。
総合型選抜の対策(志望理由書・活動報告書・小論文・面接)は、武蔵野個別指導塾 武蔵境本校で副塾長の宮川涼が直接受け持っています。
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