調査書の様式を欄ごとに読む——令和9年度の「別紙様式1」と記入上の注意事項
調査書は高校が自由に作る書類ではありません。文部科学省の実施要項が様式(別紙様式1)と記入上の注意事項を定め、欄の順番や配置は変えないよう求めています。2027年度入試(令和9年度)の様式を、欄の名前のとおりに表から順に読みます。
- 大学入試の調査書は、高校が生徒指導要録にもとづき、実施要項の「別紙様式1」で作ります。日本産業規格A4判の表裏両面1枚で、欄の順番や枠の配置は変えません(文部科学省, 2026a, 第5の1、4頁/注意事項4、18頁)(文部科学省, 2026c, Q調-1)。
- 原案はホームルーム担当教員等が作り、関係教員の委員会の審議を経て、高等学校長が作成し、その責任で大学に出します(文部科学省, 2026a, 注意事項3、18頁)。
- 欄は9つです。表に「1.氏名など」「2.各教科・科目等の学習の記録」「3.各教科の学習成績の状況」「4.学習成績概評」、裏に「5.総合的な探究の時間の記録」「6.特別活動の記録」「7.指導上参考となる諸事項」「8.備考」「9.出欠の記録」が並びます(文部科学省, 2026a, 16〜17頁)。
- 2027年度入試でも、出欠の記録のうち「出席停止・忌引き等の日数」と「授業日数」は書かず、欄は消さずに空欄にします(文部科学省, 2026a, 注意事項17(2)、22頁)(文部科学省, 2026c, Q調-6)。
- 大学は「3.各教科の学習成績の状況」だけでなく他の欄も活用することになっており、教科・科目を指定して評定を出願要件にすることもできます(文部科学省, 2026a, 第5の2、4頁)。
調査書は「別紙様式1」で、表と裏の1枚に書きます
大学入試で高校が出す調査書は、文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(2027年4月に大学へ入る人の入試のきまり)が様式を決めています。要項の第5は、大学が入学志願者に対し、在籍する高校が「高等学校生徒指導要録」(以下、指導要録。高校が生徒ごとに学籍と指導の記録を残す公簿)にもとづいて「別紙様式1」で作った調査書の提出を求めると定めています(文部科学省, 2026a, 第5の1、4頁)。様式そのものは要項の16頁(表)と17頁(裏)に載り、同じ様式のWordファイルが「調査書(様式)(令和8年5月27日更新)」として文部科学省の掲載ページに置かれています(文部科学省, 2026d)。
要項の末尾にある「調査書記入上の注意事項等について」(以下、注意事項)は、作り方を17項目で定めています(文部科学省, 2026a, 18〜22頁)。最初の4項目は次のとおりです(同, 18頁)。
- 指導要録等にもとづき、この様式で作る。ただし、様式の枠の大きさや文字の大きさは任意。
- 個人的主観にとらわれたり、特別の作為を加えたりしないで作る。
- ホームルーム担当教員等が原案を作り、関係教員で組織した調査書作成の委員会の審議を経て、高等学校長が作成し、その責任で大学に出す。
- 日本産業規格A4判(210×297mm)の上質紙(57.5kg程度)を使い、表裏の両面1枚で作る。
枠の大きさは自由でも、並べ方は自由ではありません。Q&Aは、別紙様式1の記載事項の順番や枠の配置を「変更しないでください」と答えています(文部科学省, 2026c, Q調-1)。表裏両面1枚という形は、令和7年度の実施要項から、新しい指導要録の参考様式に合わせて採られたものです。やむを得ず別紙を付けるときは提出先の大学に扱いを確かめ、大学は別紙のある人とない人の間で公平な判定になるよう留意する、とされています(同, Q調-2)。A4の2枚分をA3用紙1枚に印刷して出すことは原則として認められていませんが、作成システムの改修が間に合わないなど困難な事情があれば、提出先の大学に確かめたうえで設置者や高校の判断で対応できます。その場合でも、大学がA4での出し直しを求めることは避けるよう求められています(同, Q調-5)。
大学と高校が個別に合意すれば、紙の代わりに、別紙様式1に書くべき事項をすべて電磁的に記録した調査書(電子データの調査書)を出すこともできます。この場合、校長と記載責任者の押印は要りません。高校は個人情報保護法制や設置者の教育情報セキュリティポリシーに従って作成・提出します(文部科学省, 2026a, 第5の1、4頁)。
誰が書き、誰の責任で出すのか
調査書の作成者は高等学校長です。原案を作るのはホームルーム担当教員等で、関係教員の委員会の審議を経ることになっています(文部科学省, 2026a, 注意事項3、18頁)。生徒本人や保護者が書く欄はありません。本人が書く書類(活動報告書や大学入学希望理由書など)と、高校が書く推薦書は、調査書とは別の書類です。推薦書と活動報告書の様式は推薦書と活動報告書の様式で扱っています。
責任の所在は、裏面の最下段に表れます。様式には「この調査書の記載事項に誤りがないことを証明する」という文と日付(令和 年 月 日)、学校名・所在地・校長名と印、記載責任者職氏名と印の欄があります(文部科学省, 2026a, 17頁)。注意事項は、記載責任者職氏名を必ず書いて押印すること、内容を訂正したときは訂正箇所に校長の印を押して欄外に加除字数を書くこと、紙を貼り足したときも校長の印で割印をとることを定めています(同, 注意事項15、22頁)。校長印に電子印鑑を使ってよいかについては、Q&Aは「各学校の文書規則等に基づき真正性が証明できるよう」対応するよう答えています(文部科学省, 2026c, Q調-9)。
表と裏の最上段には「※」の付いた4つの枠があります。ここは大学が必要な事項を書き込む欄で、高校は記入しません(文部科学省, 2026a, 注意事項5、18頁)。
表の面——欄1から欄4
表の面の欄名と、注意事項が定める書き方は次のとおりです。欄名は様式の文言のままです(文部科学省, 2026a, 16頁/注意事項6〜9、18〜21頁)。
| 欄 | 様式の欄名 | 書くこと(注意事項の要約) |
|---|---|---|
| 1 | 見出しは「1.」だけで、ふりがな・氏名、生年月日(「昭和・平成 年 月 日生」)、性別、現住所、学校名(国立・公立・私立/高等学校・中等教育学校・特別支援学校〈分校〉)、入学・編入学・転入学(第 学年)、卒業・卒業見込、全・定・通、普通・専門( ・ )・総合の枠が並ぶ | 必要事項を書き、該当する項目を○で囲むか、該当項目だけを直接書く(注意事項6) |
| 2 | 各教科・科目等の学習の記録(教科・科目、評定〈第1〜第4学年〉、修得単位数の計。末尾に「総合的な探究の時間」と「計」) | 在学中の全学年について、指導要録にもとづいて書く(注意事項7) |
| 3 | 各教科の学習成績の状況(国語・地理歴史・公民・数学・理科・保健体育・芸術・外国語・共・家庭・共・情報)、全体の学習成績の状況 | 評定から計算した数値を書く(注意事項8) |
| 4 | 学習成績概評、成績段階別人数(A・B・C・D・Eの人数と合計) | 全体の学習成績の状況をA〜Eの5段階に分け、その生徒の段階と、段階ごとの人数を書く(注意事項9) |
欄1では、学科の書き方に細かい決まりがあります。編入学・転入学のときはその学年を( )内に書きます。高等学校設置基準第6条第1項の「その他普通教育を施す学科」(いわゆる新しい普通科)は「普通(○○学科)」のように正式な学科名を書き、書ききれなければ備考欄に回します。専門学科は「(工・機械)」のように、農業・工業などの別と科の別を( )内に示します。学年による教育課程の区分を設けない課程では、「学年」を「年度」と読み替えます(文部科学省, 2026a, 注意事項6、18頁)。
欄2の「教科・科目」は、指導要録にもとづいて書き、各学科に共通する教科・科目と、主として専門学科で開設される教科・科目の別が分かるように区分します(同, 注意事項7(1)、18頁)。この欄には、次のような書き方の決まりがあります(同, 注意事項7(1)〜(5)、18〜19頁)。
- 評定は5・4・3・2・1の5段階で書く。
- 修得単位数の計は、修得を認定した学年ごとの単位数の計を書く。卒業見込みの人で最終学年の修得単位が決まっていない場合は、その学年の履修単位を修得したものとして計算する。
- 最終学年の成績が決まっていない卒業見込みの人は、その学年の直近の成績を総合し、高校として判定した成績を最終学年の成績として書く。
- 留学は「総合的な探究の時間」の欄の下の空欄に「留学」と書く。留学に係る修得単位数は校長が認定した数を書き、評定は書かずに外国の高校の成績証明書等(校長が原本と相違ないと証明した写しでもよい)を添付する。
- 通級による指導(特別の教育課程による障害に応じた特別の指導)や特別支援学校の自立活動は「自立活動」、特別の教育課程による日本語指導は「日本語指導」と、同じく総合的な探究の時間の欄の下に書く。
- 国際バカロレア・ディプロマ・プログラムの科目は、指導要録に記載する内容にもとづいて、教科・科目、評定、修得単位数の計の欄に書く。
- 欄が足りなければ紙を貼り足してよい。
欄3と欄4は、評定をどう計算し、A〜Eのどの段階に入れるかの決まりです。分量が多いので評定平均(全体の学習成績の状況)と学習成績概評の決まりに分けました。ここでは、欄3の数値が小数点以下第2位を四捨五入した値であること、欄4の区分が5.0〜4.3をA、1.8以下をEとする5段階であることだけを挙げておきます(文部科学省, 2026a, 注意事項8・9、19〜21頁)。
裏の面——欄5から欄9
裏の面は、教科の成績以外の記録です(文部科学省, 2026a, 17頁/注意事項10〜14、21〜22頁)。
| 欄 | 様式の欄名 | 書くこと(注意事項の要約) |
|---|---|---|
| 5 | 総合的な探究の時間の記録(学習活動・観点・評価) | 指導要録と同様に、行った学習活動と学校が定めた評価の観点を書き、顕著な事項がある場合などにその特徴を書くなど、生徒にどのような力が身に付いたかを端的に書く(注意事項10) |
| 6 | 特別活動の記録(内容〈ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事〉、観点、学年1〜4) | 学校が設定した観点を書き、活動・行事ごとに、観点に照らして十分に満足できる活動の状況なら○印を書く(注意事項11) |
| 7 | 指導上参考となる諸事項(第1〜第4学年) | 要点を箇条書きにするなど必要最小限に。生徒の特徴・特技や学校外の活動などは、指導要録に記述された内容をもとに書く(注意事項12) |
| 8 | 備考 | 特別な教育課程や単位制の課程である旨などを書く(注意事項13) |
| 9 | 出欠の記録(授業日数、出席停止・忌引き等の日数、留学中の授業日数、出席しなければならない日数、欠席日数、出席日数、備考) | 指導要録の該当欄を転記する(注意事項14) |
欄5について、職業教育を主とする専門学科で総合的な探究の時間をすべて「課題研究」等の履修で代替した生徒や、すべてを理数の「理数探究基礎」「理数探究」で代替した生徒は、総合的な探究の時間を履修していないので、この欄に斜線を引きます(文部科学省, 2026a, 注意事項10、21頁)。
欄6の○印は、指導要録の書き方と同じです。文部科学省の平成31年3月29日の通知は、高等学校の指導要録の「特別活動の記録」を、教師の勤務負担を軽くし観点別学習状況の評価を充実させる観点から、文章記述をやめて○印で記入する形に改めたと説明しています(文部科学省, 2019a, 記3(3))。
欄7は、受験生や保護者がいちばん気にする欄かもしれません。注意事項は、ここを「必要最小限」にとどめるよう定めています。書く内容がないときはその旨を明示し、複数の学年を通じた記入が適当なら学年ごとに書かなくてよいとされています。留学の場合は留学期間・留学先の国名・学校名を、休学の場合は校長が許可した期間を書きます(文部科学省, 2026a, 注意事項12、21頁)。平成31年の通知も、指導要録の「総合所見及び指導上参考となる諸事項」について、要点を箇条書きにするなど記載事項を必要最小限にとどめると改めています(文部科学省, 2019a, 記3(5))。調査書の欄7は、この指導要録の記述が出発点です。学校外の活動が書かれるかどうかは、それが指導要録に精選して記述されているかどうかに左右されます。
欄8には、学校教育法施行規則第85条等にもとづいて学習指導要領によらない特別な教育課程を編成している高校や、同規則第103条第1項にもとづく単位制による課程を置く高校がその旨を書きます。国際バカロレアの科目の扱いもここに書きます。書ききれないときは「別紙参照」と書いて別紙を付けます(文部科学省, 2026a, 注意事項13、21頁)。
出欠の記録で「書かない」2つの欄
欄9には、2027年度入試でも続いている特別な扱いがあります。注意事項17(2)は、出欠の記録のうち「出席停止・忌引き等の日数」は書かず、それが推測できてしまうので「授業日数」も同じく書かないと定めています。ただし、作成システムの改修に相当の負担が生じるなど困難な場合は、従前の方法で作ってもよいとされています(文部科学省, 2026a, 注意事項17(2)、22頁)。
Q&Aはこの扱いを具体的に答えています(文部科学省, 2026c, Q調-6・Q調-7)。
- 書かないのは「出席停止・忌引き等の日数」と「授業日数」の2つの欄だけで、「出席しなければならない日数」などは書く。
- 2つの欄は削除せず、何も書かずに空欄にする。
- 事由によらず、すべての学年の欄を空欄にする。ただし、すでに記入済みの欄を空欄に戻すことが新たな負担になる場合は、記入してあってもやむを得ない。
卒業見込みの人の最終学年の欄は、直近の学期末(または最終学年の成績を判定した時点)の出欠の状況を書き、その旨を備考欄に明示します(文部科学省, 2026a, 注意事項14、21頁)。
オンラインを活用した特例の授業の参加日数は、指導要録と同様に出欠の記録の備考欄に書きます(同, 注意事項17(3)、22頁)。大学はこの記載の有無で不利益に扱わないだけでなく、書かれた日数を評価の対象にしないよう求められています(文部科学省, 2026c, Q5-2)。
欠席の多さはどう扱われるか
実施要項は、入学志願者の健康状況を原則として判定資料にしないとしたうえで、出欠の状況を推薦要件や合否判定に使う場合について次のように定めています。病気・事故等、本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席日数があることを、本人の申し出や調査書の記載などで把握したときは、本人が不利益を被らないよう配慮する。理由の例には、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状と考えられる症状や月経随伴症状も挙げられています(文部科学省, 2026a, 第13の2(1)、10頁)。健康状況と欠席日数の扱いは、試験当日の受験機会と合わせて試験当日の病気・事故と受験機会で解説しています。
Q&Aは、出欠欄を判定材料にすること自体は否定しない一方、使う場合は方法や理由を合理的に説明できるようにし、出席日数が少ないことだけで不利益に扱わないよう求めています(文部科学省, 2026c, Q13-2-1)。そのうえで、高校と大学が取りうる対応を例示しています(同, Q13-2-2)。
- 高校: 本人に帰責されない身体・健康上の理由による欠席は大学入試で配慮されることを生徒に伝える。そうした欠席について、調査書の備考欄にその旨を書く。
- 大学: 欠席理由の申し出を受け付けていることを募集要項等に書く。事情を把握していれば判定で考慮する。把握していなくても、欠席日数が影響する場合は、必要に応じて面接等で本人に理由を確かめる。
文部科学省の協議会資料「健康状況の把握等に関する留意点」も、出欠欄を判定資料に使う場合の留意点として、活用方法や理由を合理的に説明できるようにすること、出席日数が少ないことのみで直ちに不利益に扱わないこと、本人に帰責されない理由によると把握した場合は不利益にならないよう配慮することの3つを挙げています(文部科学省, 2026e)。進路指導の場面では、備考欄にどう書くかが具体的な論点になります。
新型コロナウイルス感染症に関する扱いも残っています
注意事項17(1)は、新型コロナウイルス感染症対策の影響で大会や資格・検定試験等が中止・延期になり、特別活動の記録や指導上参考となる諸事項の欄に書けない場合は、理由を付けたうえで、当初参加を予定していた大会名や資格・検定試験名などを書くよう定めています。記載例は「○○○に参加予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止。」です(文部科学省, 2026a, 注意事項17(1)、22頁)。
大学の側には、出席日数・特別活動の記録・指導上参考となる諸事項の記載が少ないことなどをもって、特定の入学志願者を不利益に扱わないことが求められています(同, 第5の2(4)、4頁)。Q&Aは、この「等」に、感染症の影響による臨時休業・分散登校・出席停止に伴う出欠の記録の内容も含まれると答えています(文部科学省, 2026c, Q5-1)。
大学は調査書をどう使うのか
実施要項は、大学が調査書を「十分に活用する」際の留意点を4つ挙げています(文部科学省, 2026a, 第5の2、4頁)。
- 「3.各教科の学習成績の状況」だけでなく、他の記載事項も有効に活用する。
- 大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる。
- 必履修教科・科目の未履修があった調査書は注意事項16で扱い、未履修科目があることをもって不利益に扱わないよう配慮する。
- 感染症の影響による記載の少なさで不利益に扱わない(前の節)。
2つ目が、募集要項でよく見る「全体の学習成績の状況が○.○以上」という出願資格の根拠です。12大学の要項で評定の条件がどう書かれているかは評定平均の出願要件にまとめました。
調査書の重みは、入試区分によっても違います。学校推薦型選抜は、要項の定義で「出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ」評価・判定する入試とされています(文部科学省, 2026a, 第3の1(3)、2頁)。各大学は、調査書や本人が書く資料をどのように使うかを募集要項等に明記することになっています(同, 第10の1(2)、8頁)。
調査書に書かれた内容は個人情報です。要項は、大学が選抜を通じて取得した個人情報(調査書の記載内容を含む)を、入学者選抜と、必要に応じて入学後の学籍管理・学修指導・学生支援の業務に限って使い、外部への漏洩や目的外の利用がないよう扱うと定めています(同, 第13の3(5)、11頁)。
例外の扱い——卒業生・転入生・海外の学校・高専など
実施要項と注意事項、Q&Aは、通常の在校生以外の扱いを次のように定めています。
| 対象 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 過年度卒業者 | 従前の様式でよい。枚数も任意。指導要録の保存期間(学籍の記録は卒業後20年、指導の記録は卒業後5年)を過ぎたものは原則として記載を要しない | 文部科学省, 2026a, 第5の3、5頁/2026c, Q調-3 |
| 調査書が得られない場合(上の場合、廃校・被災など) | 卒業証明書や成績通信簿の提出など代わりの措置をとり、募集要項で知らせることが望ましい | 文部科学省, 2026a, 第5の4、5頁 |
| 高等専門学校第3学年修了(見込み)者、文部科学大臣が認定・指定した在外教育施設の課程の修了(見込み)者 | 別紙様式1の調査書に準じて作る | 同, 第5の5(1)、5頁 |
| 外国で12年の課程を修了した人、国際バカロレア・アビトゥア・バカロレア(フランス共和国)・ジェネラル・サーティフィケート・オブ・エデュケーション・アドバンスト・レベル・インターナショナルAレベル・ヨーロピアン・バカロレアの資格取得者、指定を受けた専修学校高等課程の修了(見込み)者、高等学校卒業程度認定試験の合格者 | その試験等の成績証明書をもって調査書に代えることができる | 同, 第5の5(2)、5頁 |
| 海外の高校から編入した生徒 | 指導要録の記載を転記する。海外在籍期間の修得単位数と評定は空欄にし、修得したものとみなした旨を備考欄に書く | 文部科学省, 2026c, Q調-11 |
| 高等専門学校から高校に編入した生徒 | 高専で修得したとみなした場合はその旨を備考欄に書き、該当欄の修得単位数と評定は空欄にする | 同, Q調-12 |
| 他の高校から転入した生徒 | 前籍校の指導要録を転記して備考欄に書くか、写しを添付して備考欄に書くか。どちらにするかは校長が判断する | 同, Q調-13 |
| 必履修教科・科目の未履修 | 評定の欄は空白、修得単位数の計は記載。学習成績の状況は未履修科目を除いて算定し、備考欄に科目名・本人の責によらないこと・除いて算定したことを書く(平成18年・19年の通知に該当する人が対象) | 文部科学省, 2026a, 注意事項16、22頁 |
よくある取り違え
- 「様式は高校が使いやすいように並べ替えてよい」: 枠や文字の大きさは任意ですが、記載事項の順番と枠の配置は変えません(文部科学省, 2026c, Q調-1)。
- 「調査書は担任が書いて出すもの」: 原案は担任等が作りますが、委員会の審議を経て、作成し提出するのは高等学校長です(文部科学省, 2026a, 注意事項3、18頁)。
- 「出席停止の日数も書かれる」: 2027年度入試でも「出席停止・忌引き等の日数」と「授業日数」は書かず空欄です(同, 注意事項17(2)、22頁)。
- 「学習成績概評に◯の付いたAがある」: 学習成績概評の「Ⓐ」は令和7年度の要項から廃止されました。卒業見込みの人の調査書にⒶが付いていれば、大学はAとして扱います(文部科学省, 2026c, Q調-4)。
- 「推薦書や活動報告書も調査書の一部」: 調査書は別紙様式1で、推薦書と活動報告書は「参考様式」のイメージ例です。位置づけが違います(文部科学省, 2026a, 第3の1(3)③、3頁/第6の5、7頁)。
- 「評定はいつまでの成績か、要項で決まっている」: 要項が定めるのは、最終学年の成績が決まっていない卒業見込みの人について「直近の成績を総合し、高等学校として判定した成績」を書くことです(同, 注意事項7(4)、19頁)。出願資格で何年生の何学期までの成績を見るかは、大学の募集要項で確かめます。12大学の例は評定平均の出願要件の「いつまでの成績か」にあります。
このページの限界
- 様式のきまりだけを書いています。大学が調査書のどの欄をどう評価するかは、大学ごとの募集要項と選抜の方法で決まります。
- 2027年度入試(令和9年度)の要項と様式です。要項と様式は毎年改められます。翌年度の様式は、翌年の要項の公表後に確かめてください。
- 様式の図は載せていません。欄名は要項16〜17頁の様式の文言どおりに写しました。実物は文部科学省の掲載ページのPDFとWordファイルで見られます。
- 全国の大学の評定の条件は扱っていません。全国の大学を評定などの条件で探すときは、運営者の公式サイトの総合型選抜・学校推薦型選抜 出願要件データベース|全国825大学を使ってください。
- 制度全体の定義と日程は総合型選抜とはにまとめています。
出典
- 文部科学省 (2026a). 令和9年度大学入学者選抜実施要項(令和8年5月27日付け 8文科高第318号 文部科学省高等教育局長通知 別紙1). https://www.mext.go.jp/content/20260529-mxt_daigakuc02--000010813_1.pdf (掲載ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1346785.htm ・2026年10月9日確認。頁は紙面の番号で、PDFの頁と同じ。別紙様式1は16〜17頁、「調査書記入上の注意事項等について」は18〜22頁)
- 文部科学省 (2026c). 令和9年度大学入学者選抜実施要項等に関するQ&A(令和8年9月2日更新). https://www.mext.go.jp/content/20260902-mxt_daigakuc02-000010813.pdf (Q番号で引用)
- 文部科学省 (2026d). 調査書(様式)(令和8年5月27日更新). Wordファイル. https://www.mext.go.jp/content/20260526-mxt_daigakuc02-000010813_4.docx (2026年10月9日確認)
- 文部科学省 (2026e). 健康状況の把握等に関する留意点(令和8年度 大学入学者選抜・教務関係事項連絡協議会 資料). https://www.mext.go.jp/content/20260928-mxt_daigakuc02-000052178_2-6.pdf (1頁。2026年10月9日確認)
- 文部科学省 (2019a). 小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知). 平成31年3月29日. https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1415169.htm (2026年10月9日確認)
よくある質問
調査書は誰が書くのですか。
実施要項の「調査書記入上の注意事項等について」は、ホームルーム担当教員等が原案を作成し、関係教員で組織した調査書作成に関する委員会の審議を経て、高等学校長が作成し、その責任において大学に提出すると定めています(文部科学省, 2026a, 注意事項3、18頁)。生徒本人が書く欄はありません。
調査書の様式は高校ごとに変えてよいのですか。
欄の順番や枠の配置は変えないよう、文部科学省のQ&Aが答えています(文部科学省, 2026c, Q調-1)。一方で、枠の大きさや文字の大きさは任意とされています(文部科学省, 2026a, 注意事項1、18頁)。
「指導上参考となる諸事項」には何を書くのですか。
指導要録と同様に、要点を箇条書きにするなど記載を必要最小限にとどめます。生徒の特徴・特技や学校外の活動などは、原則として、指導要録に記述された内容をもとに書きます。書く内容がないときは、その旨を明示します(文部科学省, 2026a, 注意事項12、21頁)。
欠席が多いと調査書で不利になりますか。
出欠の欄を合否判定に活用している場合があると、文部科学省の協議会資料は書いています(文部科学省, 2026e)。ただし実施要項は、病気や事故など本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席を、本人の申し出や調査書の記載で把握したときは、不利益にならないよう配慮するよう求めています(文部科学省, 2026a, 第13の2(1)、10頁)。Q&Aは、高校が備考欄にその旨を書く対応を例に挙げています(文部科学省, 2026c, Q13-2-2)。
卒業した後に出願するとき、調査書はどうなりますか。
過年度卒業者は、従前の様式による調査書の提出が認められ、枚数も任意です(文部科学省, 2026a, 第5の3、5頁)(文部科学省, 2026c, Q調-3)。指導要録の保存期間(学籍の記録は卒業後20年、指導の記録は卒業後5年)が過ぎたものは、原則として調査書に書かなくてよいとされています(文部科学省, 2026a, 第5の3、5頁)。
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