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学修計画書は志望の動機と何を書き分けるか|大学での目標設定と計画の研究

最終更新:2026-10-18

志望の動機を書いた後に入学後の計画も求められたら、同じ関心をもう一度書いてよいのでしょうか。大学の説明会で学部の学びにひかれても、出願用の設問を前にすると、動機と計画の境目で迷うことがあります。動機にはその学部を選ぶ理由を、計画には入学後に何をどの順で学び、つまずいたときにどう進め直すかを書きます。同じ関心を出発点にしても、過去から今へ向かう説明と、今から先へ向かう説明では、文章の役割が変わります。

資料の年度:2026/確認日:2026-10-18

志望の動機を書いた後に入学後の計画も求められたら、同じ関心をもう一度書いてよいのでしょうか。大学の説明会で学部の学びにひかれても、出願用の設問を前にすると、動機と計画の境目で迷うことがあります。動機にはその学部を選ぶ理由を、計画には入学後に何をどの順で学び、つまずいたときにどう進め直すかを書きます。同じ関心を出発点にしても、過去から今へ向かう説明と、今から先へ向かう説明では、文章の役割が変わります。

たとえば、身近な出来事から人の行動に関心を持ったという経験は、動機の材料になります。その関心を調べるために、入門科目で考え方を知り、資料の読み方や調査の方法を学ぶという見通しは、計画の材料です。学部の説明を読みながら、自分の疑問と学ぶ内容を結び付けると、授業名を並べるだけの文章から先へ進めます。計画を書く際は、目標と行動を分けて考えることが役立ちます。

目標を文章にする課題については、学習への取り組みが増えた研究と、大学の成績に効果が見られなかった研究があります。ここでは、その違いを踏まえて、学ぶ内容を選ぶ理由、実行する順序、進み具合の確かめ方を考えます。まず募集要項の設問を読み、どこまで答えるよう求められているかを押さえることが出発点です。

動機と計画は、時間の向きと説明する内容で分ける

志望の動機は、関心が生まれた経験と、その関心を大学で深めたい理由をつなぐ部分です。経験を詳しく語るだけでなく、そこから何を疑問に思い、なぜその学部の学びにつながったかを示します。入学後の計画では、その疑問を調べるために必要な知識や方法を選び、学びの順序を説明します。動機が「ここまでの選択の理由」なら、計画は「これからの学びの進め方」です。

両方に同じ問題意識が登場するのは自然なことです。動機で扱った経験を計画でも長く語り直すと、入学後の説明が薄くなります。計画では関心の要点を短く受け、その後に学ぶ内容と取り組みを広げると、書類どうしのつながりが見えます。次の表は、同じ関心を持ちながら説明の役割を分けるための整理です。

両方に同じ問題意識が登場するのは自然なことです
比べる点志望の動機入学後の計画
時間の向き過去の経験から現在の選択へ現在の関心から入学後の学びへ
中心となる内容なぜその分野や学部を選ぶか何をどの順で学ぶか
経験の使い方関心が生まれた理由を示す学ぶ必要のある課題につなげる
学部の情報との関係学びの特色と関心の接点を示す科目の内容や学ぶ順序を確かめる
説明を深める材料経験から生まれた疑問学ぶ方法、障害への対応、振り返り

書き分けを確かめるときは、各段落がどの問いに答えているかを言葉にします。「この経験で関心を持った」が続く部分には、動機の説明が集まっています。「その疑問を調べるために何を学ぶか」が続く部分には、計画の説明が集まっています。両方を別々の話にする必要はなく、同じ問題意識を引き継いで、説明する時間の範囲を進めるのが基本です。

設問とカリキュラムを照らし、学ぶ順序を組み立てる

総合型選抜や学校推薦型選抜の準備では、書類の名前より先に設問の動詞を読みます。「志望する理由を述べる」「入学後の学びを説明する」「将来との関係を述べる」では、求められる答えが違います。動機と計画を同じ欄で求める設問なら、理由から学びの見通しへつなぐ構成にします。別の欄なら、それぞれの設問を手元に置き、各欄の中心となる内容を分けます。

次に、学部が公表するカリキュラム、つまり授業の内容と学ぶ順序をまとめた資料を読みます。科目名だけで決めず、授業概要や履修条件を読み、自分の関心にどの部分が関係するかを確かめます。カリキュラムの図に基礎から専門へ進む道筋が示されていれば、自分が先に身に付けるべき知識や方法を探します。授業の計画を説明するシラバスも、その科目で何を扱うかを具体的に読む材料になります。

たとえば、人の行動を調べたい場合、対象への興味と、調べる方法を学ぶ必要性は別々に説明できます。入門の学びで考え方を知り、資料やデータの扱いを学び、その後に関心のある問題を検討するという順序が考えられます。この例をそのまま写すのでなく、実際の教育課程に沿って、自分が必要とする学びに置き換えます。各科目について「それを学ぶと何を考えられるようになりたいか」を補うと、選ぶ理由が具体的になります。

学部の紹介文を読んだら、自分の関心を表す言葉と大学側の説明を分けてメモします。大学が掲げる特色を写しただけの部分には、自分の疑問や、そこを学びたい理由を加えます。反対に、自分の希望だけで組み立てた部分には、科目の内容や履修の順序との対応を加えます。設問、関心、教育課程を行き来すると、どの部分をさらに調べる必要があるかが見えてきます。

目標を言葉にする研究では、何を測っていたのか

目標設定をめぐる研究を読む際は、書いた内容だけでなく、対象者と測った成果を確かめます。ここで取り上げるのは、カナダとオーストラリアの大学生への学習支援、米国の高校生の試験準備に関する実験で、日本の年内入試の研究ではありません。比べているのは計画文の入試での評価ではなく、課題に取り組んだ後の成績や学習行動です。この区別を置いて、目標と行動の関係を読みます。

Morisanoらの研究では、カナダの大学で学業に苦戦している85人の学生を、無作為に群へ分けました。無作為に分けるとは、研究者や本人の希望で参加する課題が決まらないよう、偶然に割り当てる方法です。目標を書き、内容を練り直して振り返るオンライン課題に取り組んだ群は、比較用の課題に取り組んだ群より、その後の成績が改善しました。対象となったのは、すでに大学で学び、成績に課題を抱えていた学生です。

Duckworthらは、米国で重要な試験を控えた高校生66人を対象に、30分の文章課題を比べました。目指す未来と現在の障害を対比し、どんな状況で何をするかまで決める課題に取り組んだ群は、比較用の文章課題の群より、練習問題を60%を超えて多く解きました。ここでの成果は解いた問題の量で、試験の得点とは別の指標です。希望を書くだけでなく、行動を妨げるものと対応を一緒に考える方法が扱われています。

Clarkらの研究は、オーストラリアの大学生58人を、同様の目標と行動を結び付ける訓練か、ストレスへの対処を学ぶ訓練へ無作為に分けました。4週後には、前者の群で学習時間を増やす目標の達成度が高くなりました。測ったのは自分で設定した学習時間の目標にどれだけ近づいたかであり、科目の成績とは区別されます。これらの研究を読み比べると、「成績」「問題を解いた量」「目標の達成度」という成果の違いがわかります。

大規模な追試を踏まえ、計画と成果を分けて考える

肯定的な結果と併せて読む必要があるのが、Dobronyiらのカナダでの研究です。大学に入ったばかりの約1,400人を、オンラインの目標設定課題に取り組む群と、比較用の課題に取り組む群へ無作為に分けました。目標を思い出すための通知を含む方法も検討されましたが、成績平均、取得単位、翌年も在籍することへの効果は見られませんでした。小規模な研究を踏まえた追試で、同じ方向の成果が得られなかった点が大切です。

この結果を読むときも、参加した学生と課題の条件を分けて考えます。学業に苦戦している学生を対象にした研究と、入学したばかりの学生を広く対象にした研究では、支援を受ける前の状況が異なります。また、取り組む量が増えることと、科目の評価が変わることには、測っている成果の隔たりがあります。研究の人数の大小だけで結論を決めず、誰に何を行い、何と比べたかを順に読む必要があります。

出願の準備に戻ると、計画の役割は、学びたい内容と進め方を設問に沿って説明することです。目標を書く行為と、入学後に授業へ参加し、課題を進め、理解を深める過程は分けて考えます。文章には、取り組みたいことだけでなく、それに必要な学びをどう選んだかを示します。研究の数字を自分の将来の成績に置き換えるよりも、実行の条件を点検する視点として使うと、書く内容が明確になります。

たとえば「専門知識を身に付けたい」という目標には、まず何を理解したいかを補います。その次に、授業や資料を通してどう学び、理解したかをどう確かめるかを書き添えます。結果として得たいものと、そのために自分が行うことを分けると、抽象的な意欲の表明に具体的な手順が加わります。研究の紹介で見た成果の違いは、このように目標の中身を整理する際の手掛かりになります。

障害への対応を加え、自分の条件に合う計画にする

希望する学びを並べた後は、実行を妨げそうな条件を考えます。たとえば資料を読んでも専門用語の意味がつかめない、調べたい問いが広すぎる、課題をどこから始めるか迷う、といったつまずきです。それぞれについて、用語を入門資料で調べる、対象を絞る、作業を小さく分けるなど、自分が取る行動を対応させます。障害を挙げる目的は、弱点を並べることではなく、学びを続ける方法を説明することです。

「理解が進まなければ努力する」では、次の動きがまだ見えません。「資料の説明を自分の言葉でまとめ、説明できない箇所を質問する」とすれば、確かめる作業と相談する内容がつながります。さらに、授業の課題や自分のメモを振り返り、次に読む資料や調べる範囲を見直す流れを考えます。目標、行動、振り返りを関係付けることで、希望を述べる部分から実行の説明へ進めます。

まだ専攻や将来の職業を絞れていない人は、決めるために何を学び、何を比べるかを計画に含めます。関心のある問題を別の分野からも学び、どの方法で詳しく調べたいかを考える道筋を示します。すでに明確な研究課題がある人は、それに必要な基礎や方法を優先して説明します。現在の関心の深さに合わせて、次の学びを選ぶ理由を書きます。

生活上の事情や基礎学力への不安がある人には、活動を増やし続ける計画より、続けられる学び方を具体化する方が向いています。授業の準備や復習をどのように組み込み、困ったときに学内のどの支援を調べるかを考えます。実習や学外での活動を希望する場合も、参加の条件と自分の生活との両方を確かめます。自分の条件を踏まえて選んだ理由は、学びの優先順位を説明する材料になります。

出願前は、大学の情報と高校での確認を結び付ける

書き終えたら、募集要項の設問に戻り、要求された内容に対応する段落があるかを点検します。動機、入学後の学び、将来との関係など、設問に含まれる要素ごとに、自分の答えを指さして示せる状態にします。計画を詳しくした結果、学部を選ぶ理由が抜けていれば、関心と教育内容の接点を補います。逆に動機の説明が大部分なら、入学後に行うことへ文章を進めます。

大学の情報との照合では、学部や学科の名称、科目の内容、学ぶ順序を確認します。関心のある授業がどの課程に属するか、希望する活動に参加条件があるかも読みます。説明会で聞いた内容については、手元のメモと公表資料を並べ、同じ対象や条件についての説明かを確かめます。質問をする際には、「どの資料のどの記述と、自分の計画のどこを照合したいか」を言葉にしておきます。

高校の先生に見てもらうときは、原稿とともに設問とカリキュラムの該当箇所を示します。「表現がよいか」だけでなく、動機から計画へ話がつながっているか、学ぶ順序に説明があるかを読んでもらいます。学校推薦型選抜で校内の確認が必要な場合は、その手順に合わせて原稿を準備します。本人が説明する部分と、資料で確かめる部分を分けておくと、相談の論点が具体的になります。

最後は、科目名を伏せても、自分が何を学びたいかが伝わるかを読み返します。そのうえで科目名や教育内容を戻し、その大学で学ぶ理由とのつながりを確かめます。動機は関心の出発点を伝え、計画はその関心を学びに変える順序を伝えます。設問に答えることを中心に据え、必要な知識、取り組み、見直し方がつながる文章に整えます。

よくある質問

動機と計画に同じ経験を書いてもよいですか

同じ経験を出発点にしても、説明する役割を分ければ文章はつながります。動機では、その経験からどんな疑問が生まれたかを述べ、計画では、その疑問を深めるために何を学ぶかへ進みます。経験の経緯を両方で詳しく繰り返すより、計画側では要点を受けて、その後の学びを広げます。まず設問を読み、それぞれの欄で求められる説明に合わせることが大切です。

将来の職業が決まっていないと書けませんか

職業を決めるために、何を学び、どんな観点で進路を考えたいかを説明する方法があります。現在関心がある問題と、大学で確かめたいことを起点にすると、学びの見通しを組み立てられます。将来像について設問が尋ねている場合は、現時点の考えと、判断に必要な学びをつなげて答えます。自分の関心に即して、次の選択へ進むための計画にします。

授業名や教員名を多く挙げるほど具体的になりますか

名称を挙げる際には、その授業の何を学びたいかと、自分の疑問にどう関係するかを添えます。読む人が知りたい内容に答えるには、名前の数より、学びの目的と順序を説明することが先です。教員の研究に関心がある場合も、学部生が学ぶ教育課程とのつながりを公表資料で確かめます。自分が必要とする知識や方法を明らかにしてから、関連する授業を選びます。

この記事の限界

比較した研究は、カナダの大学生、米国の高校生、オーストラリアの大学生への課題を扱い、対象の広さや比較する課題、成績と学習行動のどちらを測ったかが異なるため、日本の年内入試における書類の評価や入学後の成果を直接示すものではありません。研究の公表時期も異なり、短期間の取り組みの変化と、大学で長く学び続けることは分けて読む必要があります。書き分けの説明は、設問と教育課程を照らすための一般的な整理であり、個別の出願の判断に代わるものではありません。提出する年度の募集要項と大学の最新の発表を優先し、設問が求める内容を本人の学修計画と照合します。

参考文献

  1. Morisano ほか. Setting, elaborating, and reflecting on personal goals improves academic performance. The Journal of Applied Psychology. 2010;95(2):255-264.
  2. Duckworth ほか. Self-regulation strategies improve self-discipline in adolescents: benefits of mental contrasting and implementation intentions. Educational Psychology. 2011;31(1):17-26.
  3. Clark ほか. Mental contrasting with implementation intentions increases study time for university students. British Journal of Educational Psychology. 2021;91(3):850-864.
  4. Dobronyi ほか. Goal Setting, Academic Reminders, and College Success: A Large-Scale Field Experiment. Journal of Research on Educational Effectiveness. 2019;12(1):38-66.

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よくある質問

動機と計画に同じ経験を書いてもよいですか

同じ経験を出発点にしても、説明する役割を分ければ文章はつながります。動機では、その経験からどんな疑問が生まれたかを述べ、計画では、その疑問を深めるために何を学ぶかへ進みます。経験の経緯を両方で詳しく繰り返すより、計画側では要点を受けて、その後の学びを広げます。まず設問を読み、それぞれの欄で求められる説明に合わせることが大切です。

将来の職業が決まっていないと書けませんか

職業を決めるために、何を学び、どんな観点で進路を考えたいかを説明する方法があります。現在関心がある問題と、大学で確かめたいことを起点にすると、学びの見通しを組み立てられます。将来像について設問が尋ねている場合は、現時点の考えと、判断に必要な学びをつなげて答えます。自分の関心に即して、次の選択へ進むための計画にします。

授業名や教員名を多く挙げるほど具体的になりますか

名称を挙げる際には、その授業の何を学びたいかと、自分の疑問にどう関係するかを添えます。読む人が知りたい内容に答えるには、名前の数より、学びの目的と順序を説明することが先です。教員の研究に関心がある場合も、学部生が学ぶ教育課程とのつながりを公表資料で確かめます。自分が必要とする知識や方法を明らかにしてから、関連する授業を選びます。