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調査書の欠席日数は総合型選抜や学校推薦型でどう読まれるか|欠席と学業の研究

最終更新:2026-10-30

欠席が多かったことで、総合型選抜や学校推薦型選抜への道が狭まるのか、病気などの事情まで読んでもらえるのかと迷う人がいます。欠席日数だけで選考の扱いを決めつけず、出願の条件と、欠席の背景を伝える書類の役割を押さえることが大切です。欠席と学業には結びつきが見られますが、数に表れた休みには、生徒ごとの事情があります。学校の記録としての数字を、その人の意欲や将来の見通しにそのまま置き換える読み方には問題があります。

資料の年度:2026/確認日:2026-10-30

欠席が多かったことで、総合型選抜や学校推薦型選抜への道が狭まるのか、病気などの事情まで読んでもらえるのかと迷う人がいます。欠席日数だけで選考の扱いを決めつけず、出願の条件と、欠席の背景を伝える書類の役割を押さえることが大切です。欠席と学業には結びつきが見られますが、数に表れた休みには、生徒ごとの事情があります。学校の記録としての数字を、その人の意欲や将来の見通しにそのまま置き換える読み方には問題があります。

不安には、そもそも出願の資格を満たすかという心配と、出願した後にどんな評価を受けるかという心配が重なっています。前者は募集要項に書かれた条件の問題で、後者は選考で書類をどう用いるかという問題です。両方を一度に「欠席が多くても大丈夫か」と尋ねると、どの心配について答えているのかが曖昧になります。以下では、要項の言葉、学業についての研究、事情を伝える欄という順で、判断の材料を整理していきます。

欠席日数と推薦の条件を読むときの入口

調査書の「出欠の記録」は出席や欠席に関する学校の記録を示す欄で、「備考」や「指導上参考となる諸事項」は事情の記述にかかわる欄です。数字の欄に目が向きやすいものの、背景の記載について考える際には、これらの欄の役割も関係します。一方、募集要項の「出願資格」や「推薦の条件」は、その方式に出願するために満たすべき条件を示します。調査書に記録が載ることと、要項で出席の条件が設けられていることを、同じ意味で扱わない読み方が必要です。

出席について条件を定めている場合は、その文が何を対象にしているかが重要です。対象の期間、条件のかかる選抜方式、ほかの条件と並べられたときのつながりによって、文の意味が定まります。たとえば条件の一覧に出席の項目がある場合と、調査書を提出するという指定だけがある場合とでは、書かれている情報の具体さが変わります。書類の提出指定だけから欠席の上限を作ったり、出席の条件が見当たらないことから評価で一切使われないと決めたりすると、要項の文を超えた判断になります。

ここで最初の行動は、志望する方式の募集要項の「出願資格」と「推薦の条件」に、出席や欠席についての記載があるかを確かめることです。見る対象は出席に触れた短い文だけでなく、その文にかかる見出しや注記までを含みます。方式ごとの条件なのか、共通の条件なのかが曖昧なままだと、自分に適用される範囲も定まりません。読む場所と、そこから得られる情報の関係は、次のように整理できます。

欠席日数と推薦の条件を読むときの入口
読む場所書かれている内容の役割判断の対象
募集要項の出願資格出願する人に求める条件その方式の資格を満たすか
募集要項の推薦の条件推薦に関して求める条件出席について明示された条件があるか
調査書の出欠の記録学校が作成する出欠の記録どの期間の出欠が記録されるか
調査書の備考など数だけでは表れない事情の記述欠席の背景がどう記載されるか

出席と卒業を追った研究の読み方

Mac Iverらは、海外の一つの市の学区で、高校1年にあたる9年生の生徒を卒業の年まで追った記録を分析しました。同じ生徒について時間を追って調べる方法を、縦断研究と呼びます。卒業をもっとも強く予測したのは、9年生の出席と科目の落第でした。この結果から、学校が慢性的な欠席と科目の落第に対処することは、高校の卒業と大学への進学を増やすうえで重要だと論じられています。[1]

ここでいう「予測」は、先にある記録から、その後の結果との結びつきを統計的に捉えることです。出席だけで個人の卒業を言い当てるという意味ではなく、研究では科目の落第も強く結びついていました。研究の中心にあるのは、生徒が学校で学び続ける過程と、その途中で見える兆しです。欠席を、学習上の困りごとに学校が気づくための材料として捉える視点が、研究の結論に含まれています。[1]

Londonらは、小学校から高校までの生徒の行政の記録をつなぎ、慢性的な欠席が年ごとにどう変化し、その後の学業とどう結びつくかを調べました。慢性的な欠席は積み重なりやすく、何年も続くことは思わしくない学業の結果と結びついていました。Mac Iverらの研究がある学年の出席と卒業との関係に注目したのに対し、こちらは欠席が続く経過を扱っています。学業との関係を読む際には、日数の大小に加えて、どの時期にどのように続いていたかという時間の情報にも意味があると捉えられます。[2]

欠席の多さから意欲を決めつけない

Balkisらは、高校生423人について、欠席と成績だけでなく、学業についての自己評価、先生や学校への態度、目標の重み、意欲と自己調整との関係を調べました。自己調整とは、自分の学習の進め方を調節することです。欠席の多さは、これらの項目すべてと負の関係にあり、欠席が多い人ほど各項目の値が低い傾向がありました。欠席の様子は、親の学歴や収入によっても違いが見られました。[3]

こうした相関、つまり二つの数の動きがどれだけそろうかという関係は、原因と結果の順序を確定するものではありません。ここまでの観察研究から、欠席そのものが成績を下げた、意欲の低さが欠席を生んだと一方向に決めることはできません。とくにBalkisらが扱ったのは、学業だけに閉じない複数の項目であり、家庭の背景にも関係が及んでいます。欠席したという行動だけを取り出し、本人が学びたくなかったと読み込むと、研究で調べた範囲をかえって狭くしてしまいます。[3]

また、集団に見られた傾向には、成績、意欲、学校への態度など、測った内容ごとの意味があります。「学業についての自己評価」は本人が自分の学業をどう捉えるかであり、成績の記録と同じ項目ではありません。先生や学校への態度も、欠席の理由を一つずつ説明した記録ではなく、調査で扱われた関係の一部です。複数の項目が欠席と結びついていたという結果は、日数だけから一人の性格や学校生活の全体像を決めるためでなく、背景を広く捉えるために読むほうが適切です。[3]

病気による欠席と学習支援の関係

Lumらは、慢性の病気のある生徒192人と、ない生徒208人を、親が答えた調査で比べました。病気のある生徒は、最近の病気による欠席が4.9倍多く、学習面の困りごとも多いという結果でした。しかし、学校での個別の学習支援は、病気のない生徒より多く受けているわけではありませんでした。研究は、病気のある生徒の学習面や学校生活での必要に対して、支援が十分に届いていない状況を指摘しています。[4]

この比較で扱われた欠席は、病気に関係するものでした。数字を読むうえでは、「学校に行かなかった」という結果の手前に、病気があるという条件が置かれています。さらに、困りごとが多いことと、学習支援を多く受けていることも一致していませんでした。欠席した日数だけを眺める読み方では、休む必要があった事情も、学習上どんな支援を受けられたかも表に出にくいという問題が見えてきます。[4]

この点は、休んだ経験を本人の責任だけに帰す説明を見直す材料になります。病気のある生徒の研究で、困りごとの多さに支援の量が対応していなかったという結果には、学校での学びを支える環境の問題が含まれます。読む側が本人の頑張りの有無だけに目を向けると、同じ研究が示した支援の側の情報を落としてしまいます。欠席についての記述には、単に数を言い換える文章ではなく、その数だけでは読み取れない事情を伝える意味があります。[4]

事情の説明は書類の役割に沿わせる

欠席に理由がある場合の次の行動は、調査書の「備考」「指導上参考となる諸事項」に、その事情がどう書かれるかを担任に確かめることです。これは調査書の表現を本人に都合よく作り替える話ではなく、学校が作る記録に背景がどう表れるかという確認です。たとえば、学校が把握している休みの事情と、本人が伝えたいと考える事情には、範囲のずれがありえます。相談の焦点は評価を約束する言葉を探すことではなく、学校が記載する事実の範囲にあります。

本人の説明が中心になる書類には、自己推薦書や活動報告書などがあります。ただし、それぞれには大学側が求める記述の内容があり、自由に書ける欄という名前だけで用途が決まるわけではありません。「活動について述べる」という設問なら活動の説明が中心となり、「学習の経過」を求める設問なら経過とのつながりが必要です。欠席の事情が気になるからといって、すべての書類の中心をその説明にすると、設問が求めている情報が薄くなるおそれがあります。

本人から説明したいことがある場合の行動は、要項にある自由記述の書類に、それを書く欄があるかを読むことです。見る点は空白の広さではなく、欄の見出しと設問がどの内容を求めているかです。事情を説明する場所がある場合でも、病気について細部まで述べる文章と、学校での学習の経過を伝える文章では、伝える情報の目的が変わります。読み手が必要とする内容に沿う説明とは、長く詳しく書くことそのものではなく、その欄で問われたことに対応した説明です。

研究の数字を選考の点数に置き換えない

ここまでの研究は、卒業、学業の結果、学習への意欲、支援の状況を扱っています。Mac Iverらの卒業の研究では出席と科目の落第が、Londonらの研究では欠席の継続が焦点でした。[1][2]Balkisらは欠席と学業や学校への態度などの関係を、Lumらは病気のある生徒とない生徒の学校生活を比べています。[3][4]研究によって何を結果として測ったかが違うため、数字を並べて欠席の影響の強弱を順位づける読み方にはなじみません。

とくに病気による欠席の比較を、「病気の説明があれば選考でこう扱われる」という入試の規則へ移すことはできません。これらの研究には、日本の年内入試で大学が調査書の欠席をどう評価するかを直接調べたものがないためです。出願の条件については要項の文が根拠になり、研究は欠席と学業の関係を考える背景になります。病気のある生徒、長く欠席が続いた生徒、特定の時期に欠席が集中した生徒を、共通の数字だけで評価する発想は、研究が扱った対象や経過の情報を取り落とします。

三者面談で欠席の話題が出た場面を考えると、日数の多さへの不安から始まった話も、資格の条件、学校の記録、本人の説明という論点に整理できます。保護者が気にする将来の学びと、生徒が気にする過去の欠席への評価とでは、同じ話題でも心配の向きがそろわないことがあります。その話し合いの出発点になるのは、出願資格と推薦の条件に書かれた出席の扱いです。

よくある質問

遅刻や早退も調査書に載るか

遅刻や早退について、何をどの欄に記載するかは、学校が調査書を作成する段階で扱う事柄なので、担任・学校に確かめる内容です。日々の出欠の連絡で使う項目と、出願先へ送る書類の表示を同一だと思うと、記録の受け止め方がずれます。遅刻や早退の回数を欠席の日数へ自己流で換算した数は、学校が作る記録の代わりにはなりません。質問の対象は、その記録の有無と記載する欄になります。

高3の欠席はいつの時点まで数えられるか

高3の記録をどの時点まで含めるかは、学校がその出願に用いる調査書を作る際の扱いについて、担任・学校に確かめる内容です。「高3の記録」と言っても、年度が終わる前に作成する書類には、記載の区切りとなる時点があります。出願の締切と記録の区切りが同じ日だと考えると、手元の出欠の把握と書類の内容にずれが生じます。ほかの人が別の時期に作った調査書の話だけでは、自分の書類の区切りは定まりません。

出席停止や忌引きは欠席に入るか

出席停止や忌引きの数え方は、学校が調査書に記録するときの扱いを担任・学校に確かめる内容です。日常の会話で「休んだ日」と呼ぶ範囲が、そのまま書類の「欠席日数」の範囲になるとは限りません。本人が登校していなかった日をすべて足す方法では、記録上の区分が抜け落ちます。出願先に伝わる数字についての疑問は、休んだという記憶だけで計算するより、学校の記録の区分を前提に扱う必要があります。

この記事の限界

比較した対象や結果の指標には幅があり、卒業までを追った学校の記録と、病気の有無について親が答えた調査は、測る内容や時間の捉え方がそろっていません。引いた文献は2013〜2019年に発表されたもので、海外の学区を扱う研究などが含まれ、日本の年内入試で欠席の事情を大学がどう読むかを直接測った結果は含まれていません。

出願条件や調査書に関する指定は年度ごとに変わるため、その年度の募集要項と大学の発表が手続きの根拠として優先します。ここで示した研究の関係や欄の読み方だけで個別の出願判断はできず、本人の記録と志望する方式の条件に基づく検討が必要です。

参考文献

  1. Mac Iver ほか. The ABCs of Keeping on Track to Graduation: Research Findings from Baltimore. Journal of Education for Students Placed at Risk. 2013;18(1):50-67.
  2. London ほか. The Dynamics of Chronic Absence and Student Achievement. Education Policy Analysis Archives. 2016;24:112.
  3. Balkis ほか. The School Absenteeism among High School Students: Contributing Factors. Educational Sciences: Theory and Practice. 2016.
  4. Lum ほか. School Students with Chronic Illness Have Unmet Academic, Social, and Emotional School Needs. School Psychology. 2019;34(6):627-636.

要項の一文を、あなたの出願書類の一文に変えるところまで付き合う

  • 向く人: 要項を読んでも、自分の評定と英検で出せる方式を絞り切れない高校生
  • 向く人: 志望理由書と小論文を、出願の数か月前から一対一で書き直していきたい人
  • 向かない人: 志望理由書や活動報告書を代わりに書いてほしい人
  • 向かない人: 要項を自分で読まずに、受かるかどうかの見込みだけを知りたい人

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よくある質問

遅刻や早退も調査書に載るか

遅刻や早退について、何をどの欄に記載するかは、学校が調査書を作成する段階で扱う事柄なので、担任・学校に確かめる内容です。日々の出欠の連絡で使う項目と、出願先へ送る書類の表示を同一だと思うと、記録の受け止め方がずれます。遅刻や早退の回数を欠席の日数へ自己流で換算した数は、学校が作る記録の代わりにはなりません。質問の対象は、その記録の有無と記載する欄になります。

高3の欠席はいつの時点まで数えられるか

高3の記録をどの時点まで含めるかは、学校がその出願に用いる調査書を作る際の扱いについて、担任・学校に確かめる内容です。「高3の記録」と言っても、年度が終わる前に作成する書類には、記載の区切りとなる時点があります。出願の締切と記録の区切りが同じ日だと考えると、手元の出欠の把握と書類の内容にずれが生じます。ほかの人が別の時期に作った調査書の話だけでは、自分の書類の区切りは定まりません。

出席停止や忌引きは欠席に入るか

出席停止や忌引きの数え方は、学校が調査書に記録するときの扱いを担任・学校に確かめる内容です。日常の会話で「休んだ日」と呼ぶ範囲が、そのまま書類の「欠席日数」の範囲になるとは限りません。本人が登校していなかった日をすべて足す方法では、記録上の区分が抜け落ちます。出願先に伝わる数字についての疑問は、休んだという記憶だけで計算するより、学校の記録の区分を前提に扱う必要があります。